■たわごとですかーっ!!■
▼【カブト虫との切ない別れ】 04/09/06 夏ももうすぐ終わりだが、夏と言って思い出されるのは昆虫採集である。 昆虫は、オレの子供時代の恰好の遊び相手だった。中でも、子供の頃憧れた昆虫はカブト虫であった。 北海道にはクワガタやクマはいるがカブト虫は生息していない。 ちなみに、クマは昆虫ではない。 したがって、愛しのカブト虫に会うにはペットショップへ行くしか方法がなく、しかも値段は途方もなく高く、とても子供の手に負える代物ではなかったのだ。 しかし、オレはカブト虫を購入した。それはとてつもなく高価な買い物だったに違いない。 しかし、オレのカブト虫に寄せる思いは、想像を絶するほど強かったのである。 なけなしの小遣いをはたいて買ったカブト虫とさっそく散歩だ。 きっと名前も付けたことだろう。カブト君だったかも知れないし、カブだったかも知れない。だがしかし、ポチとは付けなかったはずだ。カブト虫にポチは問題なのではないか。カブト虫にふさふさした毛はないのだ。 何しろ嬉しかったに違いない。 やがて近所の子供たちも集まってきた。皆、実に羨ましそうである。 まるで、スター気分だ。 オレは、自慢のカブト虫を腕に乗せ、誇らしげに見せびらかした。 一世一代の大舞台さながらである。 しかし、その気分もそれまでだった。次の瞬間、予想もしない事態が起こったのだ。 飛びました。 オレの腕から離陸するカブト虫。 追いかけるのも忘れるほど実に見事な飛びっぷりである。 呆然と見送る、オレと仲間たち。 あいつはほんとに元気で良い奴でした。 いきなり惜別の感傷に浸ってしまったオレなのである。 カブト虫は飛ぶと言うことをけっして忘れてはいけない。 その年の夏、オレが唯一学習したことである。 byクムラ〜 |