■たわごとですかーっ!!■
▼02/11/23【没頭し、そして証明する】 人は時に、思いも掛けないところで没頭してしまうことがあるのではないか。 例えば、雑草が目に入ったとしよう。 そうなったらもう居ても立ってもいられないのが人の性分である。 つい初めてしまうのだ、草むしりを。 我に返り時計を見ると、すでに1時間も経っている。 しまった。こんなに没頭するつもりはなかった。しかしある状況において、つい没頭してしまう、そんなことが誰しもあるはずなのである。 そして、いま最も没頭する危険性をはらんでいるものとしてコーンスープがある。 コーンスープと言っても、家庭で作るやつではない。 缶入りのコーンスープである。 自動販売機で缶コーヒーらと並んで売っているやつだ。 あれはいったいなんなんだろう。 没頭してしまうのだ。 没頭するだけならまだいい、これほど苛立つ飲み物はないのではないか。 コーンスープと言えば、中には当然コーンが入っている。 ポップコーンが入っていると思われがちだが、入っているのは普通のコーンだ。 当たり前である。 缶には注意書きが明記してある。 「良く振ってからお飲み下さい」 だからって、頭を振ったり、お尻を振ったりはないじゃないか。 振るのは缶である。 コーンが入っているのだから当然の処置だろう。 そして飲む。 飲むと口の中にコーンが入ってくる。 食べる。 再び飲む。 飲むと食べるの両方が楽しめる、なんとお得な飲み物なのだろう。 だがしかし、この後とんでもない落とし穴が待ち受けていることを誰が想像できましょうか。 飲み終わったと思われたコーンスープ、最後必ずコーンが中に残ってしまうのだ。 いくら勢いを付け頭を上下させても出てこない。 覗くとその粒、約10粒。 1粒や2粒なら諦めも付くだろう。 しかし、いま中に残っているコーンは10粒以上である。 だとしたら、なんとかしなければならない。 缶を叩いてみる。そして飲む。 ダメだ。 もう一度、今度は下から叩いてみる。そして飲む。 全然ダメである。 こうなったら奥の手を使うしかないだろう。 あまり使いたくなかったが、こうなってはそうも言っていられない。 なんとしてでも目的を達成せねばならないからだ。 オレは意を決っしコーンへの思いを乗せ、ついにその手を使ったのだ。 ぴょんぴょん跳ねる。 平たく言えば「ジャンプ」であり、和式的に言えば「その場跳び」と言えよう。 ただちょっと違うのは、缶を口にあてたまま上を向いてジャンプすることである。 1回、2回、3回… 首が筋違いしそうである。 やだな、缶スープで筋違いは… だがもうすぐの辛抱だ。そう自分に言い聞かせながら10数回ぴょんぴょん跳ねました。 だがしかし、まったく出てこないのだ。 1粒くらい出てきてくれても良さそうなものじゃないか。 だがしかし現実は厳しかった。完全な敗北である。 このことから知り得た事実、それは… 「コーンスープのある自販機の周辺はなにかしらせわしない」 なぜならば、皆やっているからだ。 どうかしちゃったんじゃないかと思われるほど頭を上下させる者、缶を口に当て、ひたすらぴょんぴょん跳ねる者。 そんな風景を見ていて思うこと、それは確かにせわしないがしかし、躍動感があると言うことだ。 そう、みんな生きているんだ。 生きてるってすばらしい。 なにしろ、ぴょんぴょん跳ねている。生きてるったら生きている。 そう思わずにはいられないのだ。 そしてオレはまた、今日もぴょんぴょん跳ねてしまう。 それが生きている証明だからだ。 byクムラ〜 |