■たわごとですかーっ！！■
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▼０２／０９／２３【あだ名は一人歩きする】 ニックネーム、つまりあだ名は容姿で決まる場合が多いのではないか。 背が低いならチビだろうし、背が高いならのっぽ、細いならやせ、太っているならデブなど、様々であるが、いまどきこんなあだ名を付けるやつがおりましょうか。 しかし、中には生まれ持った容姿ではなく、趣味であだ名が付く場合もないとは限らない。ひとつのスタイルを徹底的に貫き通すとそういうことになるのではあるまいか。 そんな奴が学生時代にもいた。 そいつの着るものはいつも、ちょっとどうかと思うほど派手な原色系であった。ウォークマンで聞く音楽と言えば大瀧詠一だったし、車はトリコロールカラー。ヘアースタイルも当時としては珍しい、茶髪のロンゲであった。 こんな奴に付くあだ名と言えば、これしかないだろう。 「トロピカル」 トロピカルと言えば、そもそも熱帯であり、どちらかと言えばそれは眩しい夏の季節だ。秋になれば、ちょっとイメージは遠ざかる。それがまた雪がしんしんと降る、手もかじかむような季節になったら、もうすでにトロピカルの出番はないだろう。 しかし、そんなときでもそいつは一貫してトロピカルだ。 年がら年中トロピカルはないじゃないか。 どんなに寒く、鼻の頭や耳をしもやけで赤くさせたって、そいつが現れればたちまち南国である。 しかし、問題はトロピカルな容姿に比べ、そいつの性格はトロピカルではなかった。 暗いのだ、性格が。 性格の暗いトロピカルな男。これはなんて言ったらいいんでしょう。 とことんシックなトロピカルとでも言いましょうか。 なにしろ、その存在たるや、目立つんだか、目立たないんだか分からない。 なんとも言えない雰囲気をかもし出しているのだ。 だからこそトロピカルなのだ。 彼のその存在とそのポリシー、それこそがトロピカルに値するのである。 その名はトロピカル。 自分がトロピカルだと言うことを知らないのだ。 byクムラ〜 |