■たわごとですかーっ!!■
▼02/09/08【夏を惜しむ】 9月である。 残暑はまだまだ厳しいが、残暑と言うからにはいますでに夏ではない。 遠ざかる夏を惜しむ。 あれだけ暑く辛い思いをしても惜しんでしまう夏。 これはいったいどういうことなのだろうか。 それと言うのも、やはり夏には夏特有の良さ、魅力があり、人はその夏の良さを最大限利用し楽しむからであると言える。 夏の魅力上位ランキングに位置するものと言えばやはり海水浴だろう。 北海道である。 北海道の海水浴シーズンは非常に短い。 どのくらい短いかと言うと、ちょっとタイミングを逃せばいつの間にかお盆だし、油断をしていたら、寒中水泳でした、なんて事態にも陥りかねない。 それほど短いのである。 短いゆえに北海道の海水浴シーズンは本州のそれより、より貴重なものとなる。 短い海水浴シーズンの北海道でも海はやはり海であり、夏の海はわくわくするものだ。 したがって海水浴へ行こうと決まった瞬間から気分は高まり、その道中と言ったらもう胸もはちきれんばかりに期待は最高潮に達する。 きっと青い海はどこまでも続いているんだろう。 空だって目も覚めんばかりに真っ青なはずだ。 ビキニのおねえちゃんもたくさんいることだろう。 考えただけで気分も明るくなろうと言うものだ。 ところがそんなウキウキ気分も海水浴場に到着するまでだった。 人が大勢いたってここは海水浴場だ。我慢しよう。 灼熱の太陽だって、それがあるから海が気持ちいいんだ。 だがしかし、、、 トンボだらけってことはないじゃないか。 ウキウキ気分一転、トンボ気分である。 そのトンボの量といったらちょっとどころの騒ぎではない。 この状況をどう説明したらいいものか。 ひとことで説明するならば、 空気がみなトンボ。 そう言っても過言ではないという状況なのである。 駐車中の車はトンボ一色。 ピーチパラソルもトンボ一色。 置いてある浮輪もトンボ一色。 上を見上げれば、空の色なんかみなトンボ色なのです。 誰がこんなにトンボを呼んだんだ。 オレはトンボを見に来たわけじゃないぞ。 そもそもこんなトンボだらけの海でどう泳げと言うんだ。 トンボだらけにもほどがある。 誰に文句を言ったって始まらない。 なにしろ相手はトンボだ。 だったら、「だらけ」なのがトンボではなく、「チョウチョウだらけ」だったらどうでしょう。 確かにトンボに比べれば色もカラフルであり、綺麗なのかも知れない。 しかしながらやはり、「だらけ」はまずいだろう。 例えば、代表的なだらけに「ゲンゴロウだらけ」、「コモドオオトカゲだらけ」などがあるが、もし、「ネアンデルタール人だらけ」なんて言ったら、いったいどう対処したらいいんだ。 そんな「だらけ」はなかなかお目に掛かれないよ、と言う向きもあるかも知れない。 だったら、「佐藤さんだらけ」はどうだ。 やはりただごとではないだろう。 なにしろ、「だらけ」と聞いただけで、どんなものも一種異様なものに思えてしまうのだ。 だらけにはじゅうぶん気を付けねばなるまい。 と言うことで、なすすべなくさっさと退散しました。 これがほんとの、トンボ帰り。 普段なら拍手喝采のジョークもこのときばかりはさっぱり通じなかった。 皆沈痛の面もちだ。 こんな夏をどう惜しめって言うんですか。 けっして惜しみたくない、「だらけ」な夏の情景なのであった。 byクムラ〜 |