■たわごとですかーっ!!■



▼02/08/25【家族語】

家族の中だけで使用する言葉、通用する言葉というものがどの家庭にもあるのではないか。
言ってみれば、家族語である。
5人家族だったオレの家族にもそれは確かにあった。

例えば、フォークのことをこう言っていた。
「ちくんさし」
なんとなくイメージから分かろうと言うものだ。
ちくんと刺すから「ちくんさし」だ。

また、「やった〜」と言う喜びの雄叫びはこうだ。
「やったぎん」
喜びを率直に表現していると言える。
これもまあ良いだろう。
そして、、、

「こっぽず〜」

これのどこが、「いただきます」なんだ。
いったい何語なんだと文句のひとつも言いたいところだが、変化したあげくの果てだったのだろう。
変化形にもほどがあると言いたい。
このように、その当時はなんの違和感もなく自然に使っていたフレーズも、いまとなってはこれはちょっとまずいんじゃないかと思われるようなものもあるのだ。

兄弟どうしの呼び名にもまた家族語があった。
オレは3人兄弟である。
弟の名前はひろし。家族からは「ひっし」と呼ばれていた。
妹の名前はゆみであり、「ゆみぼん」であった。
だがしかし、このオレを「おんじぃ」と呼ぶのはどういう了見なんだ。
小学生時分から「おんじぃ」はないじゃないか。
どこの世界に立派な白髭をたくわえた頑固者の小学生がいると言うんだ。
やだよ、そんな若くして「おんじぃ」は。
しかし、時すでに遅く、気が付いたらオレはおんじぃに決定していました。
そしてそれは、いまだに続いているのだ。恐るべし、家族語。

家族語。
それがいついかなるときから使われるようになるのかは定かではない。
気が付いたら家族の皆が使っているのだ。まるで標準語のように。
それが家族語である。
問題は、油断すると赤の他人の面前でも使ってしまうと言うことだ。
これはちょっとまずい。
レストランの料理の前で家族揃って手を合わせ、「こっぽず〜」はないだろう。
なぜなら、怪しい暗号にしか聞こえないし、滅法恥ずかしいよ、それ。

byクムラ〜


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