■たわごとですかーっ!!■



▼02/07/30【共同浴場でいったい何が起きたのか】

いたずらである。
「いた、ヅラ」ではない。「悪戯」と書いて、いたずらである。
悪戯(いたずら)好きなひとは世の中にはけっこういるもので、その悪戯にも色々あるのだが、ここで言う悪戯はいかがわしい悪戯ではなく、あくまでもお茶目な悪戯である。
その中でも最もポピュラーな悪戯と言えばこれだろう。

風呂場で頭を洗っている人にそっと近づき、後ろからその頭にシャンプーをかける。

このとき注意しなければならないのは、かけるのはあくまでもシャンプーであって、ケチャップやマヨネーズなどではなく、ましてや、ゆずカツオ醤油でもけっしてない。
そもそもそんなものどこから持ってくるんだ。
準備万端な悪戯は得てして度が過ぎており、洒落にならない場合が多い。
ほどほどにしなければならないだろう。

また、シャンプーが手元にないからと言って、替わりにと石鹸を人の頭に落とすのもまたいかがなものか。
悪戯が微妙に違ってるじゃないか。
しかしながら、それじゃあんまりだからと言って、お湯を掛けてどうするんだ。
お湯を掛ければあっと言う間にすすげちゃうのは一目瞭然であり、それは悪戯なのか。
ただのお手伝いであると言えよう。

いま言いたいのは、悪戯である。
風呂場でのさり気ない悪戯はやはりシャンプー。
後ろから気付かれないよう少しずつそっと掛けるシャンプーなのだ。
その効果のほどは、いくらすすいでもさっぱり泡が消えないと言う事態に陥る。こんな摩訶不思議なことが他にあるだろうか。
誰しも一度はしたことのある悪戯であろう。

そのとき、オレはその被害者そのものであった。
頭を洗っていたのだが、なぜか泡が切れない。
そう、会社の先輩がオレの頭にシャンプーを振りかけていたのである。
オレはそれに気付かず、切れない泡と格闘しながら、なかばやけになりつつもゴシゴシやっていたのである。

ゴシゴシ、ゴシゴシ、とにかくゴシゴシ、、、
いったいどれくらいのゴシゴシだったのだろう。
次第に頭がボ〜っとしてきた。のぼせてきたのである。
これだけのゴシゴシである。のぼせるのも当然であると言える。
のぼせやがって、この野郎。
しかし泡が切れない限り、やめるわけにはいかないだろう。

さしものオレにもついに限界がきた。
そしてたまらず頭を上げたときのことである。
「わぁっ〜!」という先輩の悲鳴。
いったいなにごとかと、ふと目を開け鏡を見ると我が目を疑った。
顔が赤いのである。
いったいいつからそんな照れ屋さんになっちまったんだ、おまえは。
しかし、そんなことを言っている場合ではなく、照れ屋どころか、そこにいるのは顔面真っ赤なまるで赤鬼だった。
鼻血なのである。
そう、その赤い顔は鼻血だらけのオレの顔であった。

このように、悪戯は時として血を見る。
オレはそんなお茶目な悪戯が嫌いだ。

byクムラ〜


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