■たわごとですかーっ!!■



▼02/07/13【相撲の衰退】

日本の国技と言えば、相撲である。
一時は、満員御礼は永久なのではないかと思われるほど大盛況をはくした大相撲。その人気に陰りが見え初めている。

そもそもいったいいつ頃だろうか、子供が相撲を取らなくなったのは。
いまでこそコンピューターゲーム全盛なのであるが、その昔、子供達の遊びの主流と言えば相撲だったはずだ。なにしろ廻りを見れば、がっぷり四つに組んでいる。本人達もふと我に返ったら四つに組んでいたという始末である。

思えば、その頃の子供達は相撲を取り、転ばし転ばされることで、その痛みを肌で感じ、それが強いては人に対する思いやりとして、人格形成されていったのではないか。
とにかくそんな風景がごく当たり前のようにあったし、それを誰もとがめるようなことがなかった。そんな時代があったのである。

そして現在の相撲人気の衰退。かりにも国技である。国技の衰退はまずいだろう。
だったら、相撲人気を復活させねばなるまい。

そもそも衰退の原因はどこにあるのか。
子供達が相撲を取らなくなったことでも分かるように、問題のひとつに素振り問題があるのではないか。
だってそうだろう。人気のあるスポーツに共通して言えること、それは誰でも気軽に素振りができるということではないか。

素振り。素振りと言えば駅だ。
駅のホームでやるのは、ゴルフの素振りであるし、野球のバッティング、そして投球フォームである。また同じ格闘技であるシャドウボクシングなども実にさまになると言えるだろう。
なにしろうまくなくても、誰にでも素振りはできるし、玄人を気取ることができるのである。なんて便利なんだ、素振りってやつは。

ところがどうだ。人はけっしてシャドウ四股(しこ)やシャドウすり足などやらないじゃないか。
これはいったいどういうことなんだ。
なぜなら、めっぽう恥ずかしいからね。
やだよ、人様の面前で、一心不乱に四股(しこ)やすり足は。
ここに相撲人気の衰退の一端があるのではないか。

相撲協会は考えねばならないだろう。
例えば、「四股踏もうキャンペーン」である。
「みんなで四股を踏もう」のキャッチフレーズのもと、そのキャンペーンは展開される。
しかしなぜ四股を踏むんだ。とにかく国技なんだから踏むしかないのだ。
国技は問答無用なのである。

決めたからには手段は選ばない。
定番のテレビ体操はどうだろう。四股(しこ)体操だ。
キャンペーンソングを作るのもいいかも知れない。

「四股に胸きゅん」「今夜、四股の踏める丘に」「はじまりはいつも四股」

もうこうなったらどうにでもしてくれ、と言う気分である。
しかし手段を選んではいられない、それがいまの相撲事情だからだ。

そして、関係者の苦労の甲斐あって見事、相撲人気が復活。
街ではそこかしこで一心不乱に四股を踏む人々の姿がある。
誰が言い出したのか、これらは「四股族」として社会現象にまでなる始末である。

いままでの若者は、女の子をデートに誘う際、こう言っていただろう。
「ねえ、そこのかのじょぉ、今度の日曜、ボクとテニスでもどぉ?」

しかし、いま相撲が空前のブームである。
だったらこう言うしかないだろう。
「ねえ、そこのかのじょぉ、今度の日曜、どぉ? ボクと一番取らないか。」
「取らないか」ときた。取り組むつもりなのである。
ブームなんだから、取り組むしかないだろう。
そして街のそこかしこに「取組喫茶」なるものができる。
カップルは皆そこで取り組むのだ。
それになんの意味があるのか、それはさして問題ではない。流行とはそういうものだからである。

日本の国技、相撲。
相撲がそんなことになったら、そんなことになったら、
オレは2度と見ねえよ。

byクムラ〜


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