■たわごとですかーっ!!■



▼02/06/02【回転寿司の目指すもの】

寿司は日本が生んだ誇るべき料理である。
食べ物で何が好きかと聞かれて、「寿司」と答える人も多いことだろう。

一般庶民なオレは、寿司とくれば、回転寿司だ。
「回転寿司」
とにもかくにも、もくもくと回っている、それが回転寿司である。

中には、回転寿司と聞いて、椅子がくるくる回っているのを思い浮かべる人がいるかも知れない。しかしそれは違う。
けっして椅子がくるくる回っている分けではない。
なぜならそれは、客が回るだけで、客にとってはなんの腹の足しにもならないからだ。
第一、目が回るじゃないか。
それは、けっして回転寿司などではなく、言ってみれば、回転人間である。
そんなに大勢人間を回してどうするんだ。その魂胆が分からない。
なにしろ、回転寿司は寿司自体がベルトコンベアーのようにもくもくと回っているのである。

オレはその回転寿司なるものにしばしば行くのだが、回っているとは言え、そこはれっきとした寿司屋である。しかし、いま寿司という文化において微妙な変化、いや、もしかしたらただごとならない変化が起き始めているのではないか。
ややもするとそれは、寿司という文化において将来的に非常にまずい状況とも言えるかも知れないのだ。
オレは見てはいけないものを見た。
いったいなんなんだ、これは…

「なすの漬け物」

バカも休み休み言え。
寿司のネタが漬け物ってことはないじゃないか。

一体全体寿司に漬け物を載せることに、なんの意味があると言うのだろう。
あまりにも注文が多すぎ、間を持たせるために作っていると言うのだろうか。
しかしだ、いまだかつて、なすの漬け物が載っかった寿司を食べている客にお目に掛かったことがないし、「漬け物握ってくれ」などと注文している客にも出くわしたことがない。
しかし、驚いたことに回っているのだ。堂々と大トロなどと肩を並べて。
いったい寿司をどう考えているのか。寿司屋としての意地はないのか。
まだある。

「コーン」

おみそれしました。
寿司屋のどこを捜せばコーンなどというものが出てくるのだ。
そもそも横文字のたべものが、日本文化の寿司の上に載っかっているのが許せないではないか。
エスカレートも甚だしい。
油断をしてると、ポップコーンも載せかねない勢いである。

しかしいま回転寿司である。
回転と付けただけで、なにやら寿司の世界においての異端児的なものを思わせる。
確かに回転すること事態、ちょっと普通じゃない。
そして皆口を揃えて言うのだろう。
「回転なんだからいいじゃないか」

確かにその意見ももっともである。
だとしたらこう言うものが出てきてもまたしかりであろう。
ターゲットは子供だ。
ビジネスにおいて、子供のうけを狙うのはいまや常識であり、このような寿司が現れてもおかしくないのではないか。
「ミニカー寿司」
しゃりにミニカーを載せるのだ。女の子向けにはリカちゃんはどうだろう。
しかし、いくら人気があると言っても、中にはちょっとまずいものもある。
「ハムスター」
ハムスターはまずいのではないか。
たしかにハムスターは見ていて非常に可愛らしく、いまや子供に取ってのアイドル的存在である。しかもリーズナブルときてる。
しかしながら問題がひとつだけある。
「どっかに行っちゃう。」
目を離したら、どこへ行ってしまうか分からないのだ。ひとたび他の寿司に目を移したら最後、もうそこにはハムスターはいない。
ネタを載せていない寿司ほど情けない寿司はないのではないか。
ハムスターは寿司には不向きであると言える。
あんたら、こんなもの食えと言うのか。

手段を選ばない、それが回転寿司なのである。

byクムラ〜


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