■たわごとですかーっ!!■



▼02/04/08【無意識に言う】

人と人との会話には、なにげなく無意識に出てくる言葉というものが存在する。
なにげなく出てくるだけに、それはときに無意識だ。
無意識だからそれは時としてなにげない。ヒツコイな、もう…

数年振りに知人に会う。手を繋ぎ一緒にいるのはその子供だ。
前回会ったときにも子供を連れていた。当然いまより小さい分けであり、子供の成長は早い。そのような状況になったとき、人は子供に向かってこう言うのではないか。
「まあ、こんなに大きくなって」
実にありきたりな言葉であるが、子供に向かって言うことと言えば、これくらいしかないのである。
まさか子供に向かって「景気はどうでっか」はないだろうし、もしその子供から「ぼちぼちでんな」と返されたりなんかしたら、それは商い仲間である。

数年振りに子供の頃から知っているおばさんに会ったとしよう。
開口一番このオレに向かって、そのおばさんから驚くべき言葉が発せられる。
「まあ、こんなに大きくなって」
やはり言うのだ、この言葉を。
赤ん坊だったオレが幼稚園に上がった時分に言うのならまだ分かる。
大の大人を捕まえて、「まあ、こんなに大きくなって」はないじゃないか。
すっかり大人になってから会っているのにも関わらずである。
「大きくなって」の有り難みが薄れることこの上ないのではないか。

やはり「まあ、こんなに大きくなって」は、冷静に判断し十分大きくなったという状況を確認できてから発すべき言葉であろう。
しかし、あまりにもタイミングを見計らっていると問題が生じる。

「まあ、こんなになっちゃって」

何か悲劇めいたものを感じさせる。

byクムラ〜


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