■武蔵を語る■


【第33回 父との再会】

ストーリー的にも、原作的にも、今回はかなりいらないのではないか。
まずお菊と言う女である。原作にこんな女は出てこないし、物語上、なんの脈絡もないのである。
だとしたら、広末涼子のための役柄としか言いようがないじゃないか。
確かに他にも原作とは違った登場人物がいることは確かだ。しかし、それは、大河ドラマのアレンジとして許される範囲のものである。
なんだか、無闇に視聴率を上げようとする目論見が感じられ、気分が悪いのである。

それともうひとつの問題は、新免無二斎である。
新免無二斎は、武蔵の父である。
それはそれはおっかないお父さんだったのである。
武蔵の野生味は、この父に影響されていると言っても過言ではないだろう。

しかしながら、無二斎は謝っている。息子の武蔵に向かって。
いや、謝っていると言うよりも、お願いしているのである。
なんとか、細川家に仕官して欲しいと言うのだ。
もし、武蔵に仕官を説得できれば、自分に200石が与えられる。あるのは、その欲だけである。
戸惑う武蔵。なにしろ、その昔、あれだけ強く、恐かった父が自分の前で土下座しているのだ。そんな光景などまったく想像していなかったことだろうし、絶対にして欲しくなかったに違いない。

しかしながら、本当の問題は他にある。
無二斎自体の存在である。
今回、無二斎が登場したとき、オレはてっきり回顧の場面だと思った。
なぜなら、父無二斎は、今存在してはならない人物だったからである。
本来ならば、武蔵の幼少自体にすでに他界しているはずなのである。
なぜ、いま無二斎を登場させる必要があるのか。しかも、こんな情けない形で…

まさか、無二斎役が、北野武だったからではあるまいな。
それはかなり無理矢理だよ。

byクムラ〜



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