■武蔵を語る■
【第30回 石舟斎の遺訓!】 結局、三之助を家におくことになった武蔵。 その可愛がり様は、まるで子供のようである。このままでは、ほんとに養子にでもしかねない、そんな勢いである。 実際、養子にするんだけど… しかし、このドラマでは養子にするんだろうか。 小次郎は、細川忠利一行とともに九州豊前へと向かうことになった。 その折り、細川家の重臣、岩間角兵衛は自分の娘を小次郎に紹介する。 今度は紹介である。 なんて恵まれた奴なんだ、小次郎って奴は… まったくもって女に不自由しないのである。それが女難の原因に他ならない分けだけれども。 その一行の後をこっそりと付いて行くのは、お篠である。 夜、そのお篠の泊まり宿を小次郎はお忍びで訪問する。 小次郎はお篠に言う。 「付いてこい。折りを見てまた会いに来る」 旅の道中、角兵衛の娘が、あれやこれやと小次郎の世話をやく。 しかし、それをことごとく無視する小次郎。 無視するからには、それなりの理由があるのだろう。 「タイプじゃない」 小次郎は好き嫌いが激しいのかも知れないが、そんな理由じゃないだろ。 武蔵は、細川家の家老である児島備前の元へ、三之助を届けに行った。 備前は三之助の祖父だったのだ。 そんな、いい所の子だったのである。 三之助は憮然とした表情である。そして、備前に食いついた。 「爺が父上を殺した、母上を殺した」と。 「そうかも知れぬ」と、あっさり自分の非を認める備前。 武蔵は備前の元へ三之助を置いて、屋敷を出た。 また、ひとりぼっちである。 柳生石舟斎の元へと到着するお通。 兵庫之助は石舟斎に説明する。 「お通さんは、あまり長居ができません。待っている人がいるのです。」 ちょっとがっかりした風の石舟斎である。 お通は武蔵からの言付けを石舟斎に伝えた。 「鳥の声を聞いた。聞かなければ命はなかった」と。 納得したように、頷く石舟斎。 鳥の声って、なんのこと? と思う人もいるかも知れない。そんな人は、過去LOGを良く読んでください。 お通は兵庫之助に頼まれてしまった。いましばらくいてくれないかと。 石舟斎は自分の死期を感じているのだと言う。 オレが見た限りでは、とてもそんな風には見えないんだけどなあ。 ある日、備前は三之助を連れて、武蔵の家へ遊びに行った。 そこで、備前は思わず涙ぐむ。 画鋲を踏んだのではない。三之助が描いたと言う絵を見て涙ぐんだのだ。 最初見たときは、とても信じられなかったのだろう。 しかし、それがまさしく三之助が描いたものであると言うことを武蔵から聞いたとき、思わず感激し、涙してしまったのである。 備前は三之助に向かって言った。 「絵筆をおまえの父、右近から取り上げ武者修行に行かせたのは間違いだった。苦労させたな」 張り付けの弥次兵衛である。 弥次兵衛を何とか助けようと、あれこれ手を尽くした備前だったが、結局、なんともならなかった。 「奉行の言い分を覆すことができなかった」と弥次兵衛一家に謝る備前。 「児島様はやるだけのことをやってくれた」と権爺は備前を労う。 そして、「おやかたーっ!」と叫ぶ子分らの前で、処刑されてしまう弥次兵衛なのだった。 その状況をつぶさに見ていた武蔵は何を思ったのだろうか。 祇園藤次である。 また武蔵の前に登場である。 何度現れたら気が済むんだ。 「お前を殺すまで戦いは終わらない」と藤次は言う。 良く見ると、武蔵は丸腰である。 「剣はどうした?」と藤次が尋ねる。 「剣は捨てた」と武蔵。 そしてまた、呟くように藤次に言った。 「鳥が鳴いた。鳥の声が聞こえるか」と。 「そんなもん、聞こえん!」と叫ぶ藤次。 そして、一気に武蔵を切りつけようと刀を振りかざした。 しかし、武蔵には隙がない。無刀であるのにだ。 藤次に迷いが生じる。 もし、無刀の武蔵に負けでもしたら… 身を引くしかない藤次なのだった。 武蔵の元へ、柳生家の家臣が来た。 その家臣は言う。 「お通殿はしばらく帰れない。石舟斎殿も元気だ」 不思議そうな顔をする武蔵。 とどめの一言はこうだ。 「お通殿は兵庫之助と仲良しだ。」 なんて意地悪なことを言うんだ、このおっさんは。 仲良しと言うからには、きっと二人は手を繋いで歩いているに違いない。 武蔵はそんな想像をしたに違いない。 家臣のうそが意図することはなんなんだろうか? ただ、武蔵をからかいたかったのだろうか。 byクムラ〜 |