■武蔵を語る■


【第27回 再会!武蔵とお通】

びっくりマーク復活である。

又八が突然、武蔵の元を尋ねて来た。あれほど探し求めていた又八である。武蔵は大喜びだ。
しかし、又八からお通が普通でないことを聞く。
そして、武蔵はお通のもとへ。
感動の再会である。しかし、そこにいたのは普通のお通ではない。
普通のお通ではないと言っても、別にお通が巨大化している分けではない。
やだなあ、巨大なお通は…
くれぐれも勘違いしないで欲しい。”なり”は至って普通である。
普通でないと言うのは、あくまでも精神的なことであり、要は正気でないと言うことなのである。
分かってると思うけど。

そんなお通でも、あれほど会いたがっていた武蔵を見れば、もしかしたら元に戻るかも知れない。そう期待したが、そんな甘いものではなかった。
寧ろ、武蔵を見たお通の頭をよぎったものは、武蔵が子供を切った光景であり、その瞬間お通はただただ怯えるばかりなのだった。

戸惑う武蔵。
そんな武蔵に又八は言う。
「お通の面倒を見ろ、お前しかお通を正気に戻すことはできない。それがお前の役目だ」
なんてまっとうなことを言うようになったんだ、又八。
ま、口だけかも知れないが、もしそうだとしても、それだけでも十分成長したと言えるのではないか。
しかし、又八のキャラクターじゃないよ、それ。

そんな又八がいきなり奉行所へと連行されていった。
商いが繁盛し過ぎたらしく、それをひがんでか、問屋から訴えられたらしいのだ。
武蔵が又八へ面会に行ったが、ここでも又八は、らしくないことを言ってのけた。
「お前が心配しなければならないのは、おれでなくお通だ。」
武蔵は一本取られっぱなしなのである。

突然、小次郎はお琴に、江戸から離れると言い出した。
聞くと、お琴のために無用な争いをしたくないと言う。
怪訝そうな顔でお琴は返した。
「争いが起こっているのは、小次郎さまの心の中なのでは…」
すっかりお見通しなのである。小次郎の心に内に、お篠と言う存在があることを…

お琴は、お篠に会いに行った。
直談判と言うやつか。それにしてもその行動力は凄い。
お琴は、お篠に小次郎への思い入れを語った。訴えたとでも言うべきか。
そして、お篠に向かい言った。
「あなたはお美しい」
それに対し、お篠はこう返答した。
「あなたもお美しい」
そんな場面を見させられたら、「はいはい分かりました、ごもっともです」としか言いようがないじゃないか、まったく。

しかし、そう言い合う中、次第にお琴の顔色が曇る。そして、まるで種を明かすかの様に、自分のその額の傷をお篠に見せたのである。
お琴は、お篠にその傷の説明を始めた。その傷を負った経緯、そして、この傷のお陰で小次郎が優しくなり、また、絆を強めたと言うことを。

それを冷静な顔で聞いていたお篠は言った。
「その傷を私に見せにきたのですか」
予想外の言葉にお琴は動揺した。そして、こう返した。
「あなたは私を哀れんでいる」
「哀れんでいるのは、あなたさまご自身なのでは? 私は人を哀れむ卑しい心は持ちません」お篠はそう言い放った。
お琴はその時、心の内で、自分の負けだと思ったに違いない。

そして、悲劇が起こったのである。
自決したのである。
誰が? って、小次郎が自決してどうする。

自決したのは、そう、お琴である。
部屋で自決するお琴。
その危険性をお篠からの伝言で聞いた小次郎は慌てて駆けつけたが、時すでに遅し、すでにお琴は帰らぬ人となっていた。
絶叫する小次郎。
この責任をどう取るつもりなんだ。

武蔵は、お通がやっかいになっている、さとの家へと通う。
毎日せっせとお通のためにお粥を作り運んでいるのである。
そのうち、武蔵を見ただけで恐怖におののいていたお通も次第に落ち着いてきた。
そして、武蔵は粥を直接お通に食べさせようと口へと持っていった。
食べた。
武蔵はお通に話しかける。
「どうだ、うまいか、まずいか」
まったく反応がないのである。
もしかしたら、口に出せないくらいまずかったのか。
そう言うことじゃないのである。

そんなお通を見て、武蔵は、たまらなくなったのか泣き出し、部屋を飛び出して行ってしまった。
それでも、食べてくれた嬉しさで、又八にそのことを喜んで話す武蔵。

明くる日、武蔵は野イチゴをお通へ持って帰った。
そして、お通の口へと運ぶ。
「思い出さないか、俺達の子供の頃を」と武蔵が言う。
と、突然、「武蔵…」とつぶやくお通。
正気に戻った瞬間である。
嬉しさのあまり、抱き合う武蔵とお通。

やっとお通は、なぜ自分が江戸に来たのか思い出したのだ。
だがしかし、又八のあの苦労は、さっぱり思い出さないんだろうなあ。

なんて不憫な又八なんだ。
又八、おまえは男だ!

byクムラ〜



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