■武蔵を語る■
【第4回 倒してみせる!】 故郷を捨て、そして姫路城をも脱走した武蔵は、これから本格的な修行の旅へとさまよう分けだが、どうしても気に掛かることがある。それは… そんなに弱くていいのか、武蔵。 なにしろ武蔵と言えば、60戦以上して無敗と言われている伝説の剣豪である。それが… いきなり負けてますよ。こてんぱんに。 この分では、この先も負けるという問題が生じることは否めない。これではまずいのではないか。五輪書にある「いまだ負けなし」の一文の責任はどう付けたらいいのか。 死ななければ負けとはならない、とでも言うのだろうか。まさかそんな往生際の悪いことは言えないだろう。 とにかく一撃でなくてはいけない。圧倒的に強くなくてはいけないのだ。それが武蔵の課せられた使命だ。 その相手は吉岡清十郎なのだが、兄弟のうちの兄の方である。しかしながら、思いに反して兄貴の方がやんちゃなのである。記憶では確か弟の伝七郎の方が無鉄砲で、出て行ったらいつ帰ってくるかも分からない性分だったはず。そして兄の清十郎が武蔵に敗れたのを聞いて、敵討ちのため帰ってくる。そういう話だと思ったのだが、なにしろ弟の伝七郎の方が冷静沈着なのである。落ち着きのない兄貴は見ていてイライラしますよ。 初回のある場面でクレームが付いたらしい。 それは、武蔵ら落ち武者達が用心棒となって、辻風典馬らを迎え、退散させる場面。 クレームの出所は、あの七人の侍の映画会社である。 その七人の侍とストーリー設定がかなり似通っていると言うのだ。確かに原作では武蔵と又八だけで敵を向かえるのだが、このドラマではわざわざ多勢で戦う設定となっている。確かに七人の侍を真似ていると言われてもおかしくないだろう。 ま、荒野の七人もまた七人の侍のかなりの部分を参考にしていると言うことだし、それだけ偉大な映画と言うことだろう。 byクムラ〜 |