■たわごとですかーっ!!■



▼【胴上げのされ方】 05/10/01

胴上げである。
ひとりの人間をおもむろに大勢がよってたかり、いきなり抱え上げ、そして放り上げるのだ。
先立って、阪神が優勝し、岡田監督が胴上げされるのをテレビで見た。
いーっかい、にーっかい、さーっんかい…
そんな場面を見るに付け、オレはふと考える。
どうして数えるんだ。
数が多いほど、偉いのか。
だったら、4回、5回などとケチなことは言わず、10回、20回、果ては100回ほど、放り上げたらどうなんだ。
それを見る人々はこう言うだろう。
「こら!」

見ているだけならまだ良いのかも知れない。問題は、数を数えているアナウンサーである。なにしろ、いつ終わるかも分からない。最初は元気良く数えていた数も、50回を越えた当たりから様子がおかしくなる。様子がおかしいと言うか、あきらかに気が変になっている。これでは、喜びも半減だろう。
数がダメなら高さならどうか。
胴上げ要員には、重量挙げ、砲丸投げ、ハンマー投げなど、超一流の力自慢が居並ぶ。
そんな男たちに抱え上げられ、胴上げが始まる。感動の一瞬だ。
いーーーーーーーーーっかい…
みな、息を飲み、宙を見上げる。しかしながら、なかなか戻ってこない。
なんて長いんだ、一回が。
これじゃ、見ている方もたまらないが、もっとたまらないのは、胴上げされてる方だよ。見れば、完全に気を失っているではないか。
罰ゲームにもってこいである。

かくいうオレはいまだかつて胴上げなどされたことがない。
どうしたらされると言うのか。
腕立て伏せを300回完遂したところでされるわけでもなし、カラオケで100点取ったからと言っても誰もしてくれない。寂しい限りである。

考えて見れば、胴上げされる人間はかなり限定されているのではないか。
そもそも、胴上げするにはそれだけの人数が必要であり、またそれだけの人間を集めるだけでも大変である。だったら、ひとりでも良いではないか。これなら気軽に胴上げを依頼することもできるだろう。

二人は向き合い、そして感動の胴上げが始まる。
一回、二回、三回…
ひとりが、ひとりを胴上げする。
それを見る人々は、口々にこう言うだろう。
「あんたたち、いったいなにやってるんだ」
そりゃそうだろう。だって、二人だよ、二人。
たった二人で胴上げもないじゃないか。
はたから見れば、男同士がお姫様だっこをしているか、もしくは、あやしているとしか見えないのではないか。だとしたら二人は、人もうらやむ仲良しコンビです。
この様に二人の胴上げ、特に男同士はかなりダメである。

とにもかくにも、生きてる間に一度でもいいから胴上げされてみたい、ほとんどの人がそう願うのではないか。
でも、死んだ後に、胴上げはイヤだなあ。

byクムラ〜



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