■たわごとですかーっ!!■
▼【復刻版のあり方】 03/11/27 その昔、このオレにもあった幼少の時代、仮面ライダースナックと言う大ヒット商品があった。スナック菓子にカードが1枚付いているのだ。1個20円也。 お菓子とは言え、子供達の目当てはスナックではない。仮面ライダーカードである。レアなカードを求め、オレも夢中になって集めた覚えがある。 裏を見れば、そのカードの解説、そして番号が記載されているのだが、カードにとって重要なのはその番号である。大きな番号であればあるほど新しいカードを意味し、そして貴重なのだ。 通常、おもての写真は、仮面ライダーや怪人、もしくはそれに関わる写真である。しかし、どういう写真であろうとこの際問題ではない。たとえ、おもての写真が”おてもやん”であろうとかまいやしない。まずは番号が大きいことが重要なのだ。 問題は、そのレアだったカードも日が経つと古くなる。次々と新しいカードが出てくるからである。そうなると、少し前まで貴重だった”おてもやん”の仮面ライダーカードはどうなるか。 困ったことに、おてもやんカードになってしまうのである。 つい先日まで、貴重だと言って持てはやされた仮面ライダーカードである。それが一転、おてもやんカードってことはないじゃないか。 そんなカードを見て、思わずため息を付かずにはいられないだろう。 「おてもやんかあ…」 そのとき初めて、それが正真正銘、おてもやんであることを認識するのだ。せっかくの仮面ライダーが台無しである。やはり、仮面ライダーカードにおてもやんは、かなりまずいのではないか。番号も確かに重要だが、後々のことを考慮すれば、写真もそこそこ重要だと言う、いい例だろう。 そして、子供達は日々、大きな番号、新しいカードを求め、店をさまよい歩くのである。 そして、仮面ライダーカードにはもうひとつ貴重なカードがある。 ラッキーカードである。 カードの裏にラッキーカードと記載してあれば、ラッキーである。それを見るや否や、拳を握りしめ、思わず、「ラッキー!」と叫ばずにはいられないのだ。 オレにとってのラッキーは、ラッキー池田ではないし、ラッキー健康ランドでもない。それはまさしく、仮面ライダーのラッキーカードに他ならず、オレはこれでラッキーと言う言葉を覚えたと言っても過言ではないのだ。 それほど感動的なカードなのだが、いったいそれの何がラッキーなのか気になるところだろう。ラッキーと言うからには何かあるはずだ。ただ無意味に、「ラッキー」と記されているわけではないのだ。 言っておくが、ラッキーの4文字を見るだけで、ラッキー気分に浸るほどオレはバカではない。ラッキーカードにはラッキーカードたる所以があるのだ。 アルバムである。 ラッキーカードでアルバムがもらえるのだ。 アルバムと言ってもそんじょそこらのアルバムと思ってもらっては困る。まさかフエルアルバムだとは思っていないだろうが、そんな良いもんじゃないよ。 仮面ライダーカードを入れるアルバムなのである。オレは5回ほど当たっただろうか。わくわくして、カルビー宇都宮工場宛にラッキーカードを送ったものである。 北海道から、行ったこともない宇都宮に思いを馳せ、毎日いまかいまかとアルバムを待ったのである。 とりわけ金持ちの家の子供は凄い。段ボール箱ごと買うのである。更に驚くべきは、食べないのである。 カードだけ取り出したらスナックは段ボールに入ったまま。まるで非常食のように押入に保管してあるのだ。オレはその家へ遊びに幾たび、お土産にと貰った。 その家へ一歩足を踏み込めば、頭の中は仮面ライダースナックで一杯だ。そして今日も貰えるかと頭をよぎれば、もう何も手に付かない。上の空でビー玉をはじく有様なのだ。精神衛生上、どうかと思う様なビー玉だったのではないか。 なにしろオレに取って、その家はイコール、仮面ライダースナックだったのである。 仮面ライダースナック。オレはその味が忘れられない。 先日、コンビニへ行くと、その仮面ライダースナックが置いてあった。復刻版と言う奴である。ちゃんとカードも付いている。しかも驚いたことに2枚も付いているではないか。しかし、2枚はダメである。有り難みが半分になるからだ。そのせいか、カードがやけに安っぽく見える。 それより問題はスナックだ。袋を開けてみて愕然とした。なんとそのスナックはポテトチップではないか。これのどこが仮面ライダースナックなんだ。これじゃ、仮面ライダーチップスじゃないか。バカにするのもほどほどにしてもらいたい。 しかもこのオレがポテトチップを食べられないと知ってのことか。誰も嫌いだと言っているのではない。食べ始めたら、つい一袋ペロッとだ。そのあげく、口内炎である。オレに取って、ポテトチップと言えば、口内炎なのだ。そんなオレの気持ちが分かるかい。 聞かれても困ると思うけど。 そんなことはどうだっていい。オレが言いたいことは、仮面ライダーカードを付けたくらいで、仮面ライダースナックの復刻版です、と大きな顔をして言って欲しくないのである。 オレの知っている仮面ライダースナックは、けっしてポテトチップではなく、しょっぱくない。甘いのである。色は確かオレンジ色だったのではないか。ここまで再現してこそ、復刻版と言えるのではないか。 中途半端な復刻版は、オレに言わせれば、うそこく版である。 byクムラ〜 |