■たわごとですかーっ!!■



▼【こぼしてしまう】 03/06/01

これだけ完璧主義者のオレだが、常日頃、女子社員から注意されることがある。
オレ自信、まったく意識していないのだが、指摘されて初めて気付くのだ。
「こぼす」
こぼすと言う言葉の響きは、何かしら哀愁めいたものを感じるし、一種、母性本能をくすぐるのではないか。
なにしろ、こぼしてしまうのだ。
こぼすと言う行為、それは意図して行われるものではなく、本人に取ってはまったく予想外の不甲斐ない結果の現れなのだ。
しかしながら、なんて情けない響きなんだ、こぼす、ってやつは…

しかし、別に食った物をこぼすとか、よだれをこぼすとか言う分けではけっしてない。
そんなだらしない人間に育った覚えはないのである。
原因は、なんのことはない。
コーヒーを入れる際、砂糖をこぼしてしまうのだ。
おもっきり、だらしないよ、それ。

女子社員はテーブルの上のこぼれた砂糖を見つけては、オレの仕業だと注意する。
原因を分析したところ、どうやら、砂糖の容器を持たずにスプーンでよそった砂糖をそのままカップに持っていくのが良くないらしい。
砂糖の容器からカップまでの距離が長くなれば、それだけ、こぼす確率が高くなるのは言うまでもないだろう。

それからと言うもの、オレは慎重になった。
しかし、いまやオレには後がない。一度のミスも許されないのだ。
そのプレッシャーは相当なものであり、もし、こぼしたりしたら、どのような罰則を受けるか分からないのだ。

だったら、どうすればいいのか。
オレは必死に考えた。
そして、オレはある画期的な方法を思いついたのだ。
これに勝る打開策はないだろう。

「ふ〜っと吹く」

くれぐれも、そっと吹いてはいけない。
あくまでも、「ふ〜っ!」っと、思い切って吹くのだ。そうすることによって、砂糖は満遍なく散らばる。ホッと一安心である。
この際、注意せねばならないことは、絶対にカップの中を吹いてはいけないということである。
砂糖どころか、コーヒーやら、クリープやら、分けの分からないことになってしまうからだ。

しかしながら、それもそう長くは続かない。案の定ばれてしまうのである。
それを知った女子社員は、オレの血液型に注文を付ける。
絶対にO型だと…
どうやらO型は、「ふ〜っ」と吹くらしい。
じゃあ、A型のオレは、どう吹けばいいんだ。

byクムラ〜


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