■たわごとですかーっ!!■



▼02/06/16【小さな訪問者】

先だっての夜、ふとベランダを見やると手すりに小鳥がとまっていた。
こんな夜に珍しいな、と思い、良く見るとどうやら寝ているようだ。
何という種類の鳥なのかは分からない。しかし、まるまるとしてなんとも可愛らしい容姿をしている。

道、いや、空に迷ったのだろうか。それとも仲間とはぐれたのだろうか。ややもすると修行の途中なのかも知れない。腰に刀を差していないところを見るとそうでもないようだ。
当たり前である。そんなの差していたら羽ばたくのに邪魔などころか銃刀法違反で逮捕は免れないじゃないか。
なにしろこの小鳥を見ながらあれこれ思いは尽きなかったし、しばし平穏な気持ちにもさせられた。

こんな気持ちになるのも、そもそもそれが可愛い小鳥であるからで、もし、ベランダの手すりに止まっているのが小鳥ではなく、テラノドンだったら、こんな思いを巡らしただろうか。
否、きっとオレはとっとと追い返したことだろう。
オレの許容範囲はせいぜいアホウドリまでである。百歩ゆずってそれがダチョウだとしてもまあ許そうじゃないか。
しかしいまここにいるのは紛れもなく小鳥であり、小鳥であるからこそ、オレの気持ちは癒されるのである。

オレは記念に写真でもと思い、デジカメを取り出し近づいていった。もしかしたら気付いて飛び立ってしまうかも知れない、などと思いながら、なおも近づく。しかし驚いたことに、まったく起きる気配がないのだ。
そんなに無防備でいいのか、おまえ。
なにがあったか知らないが、よほど疲れたに違いない。
柄にもなくやさしい気持ちにもなり、目を細め、心の中で「ゆっくりお寝」と言ってそっとベランダの扉を閉めた。そして次の日の朝。

「なんじゃこりゃーっ!」
まるで小鳥のものとは思えない、でっかいうんこをしていきやがったぜ。
しかもよりによって干してたオレのTシャツにこんもりとだ。

昨晩のオレの心洗われるひとときは一瞬にして吹き飛んだ。
人も鳥も外見で判断してはいけない。

byクムラ〜


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