■たわごとですかーっ!!■



▼02/03/16【ポージングの意味するもの】

ボディビルダーと言う人達がいる。
突然何を言い出すんだと思うかも知れないが、とにかくボディビルダーである。
読んで字のごとし、ボディをビルダーである。
ぜんぜん読んで字のごとしじゃないけど。

彼らは、これでもか、と言うほど取り憑かれたようにバーベルを持ち上げ、なにもそこまでと思うくらいに筋肉を肥大させている人達なのである。
そのあげく、彼らは観客の前でさも誇らしげにポーズを取り、筋肉を誇示するのだ。

それらを目の前で見せられたとしよう。いったい我々はどう対処すればいいのだろう。きっとみな困っているのではないか。そうに違いない。それも無理もない話である。
なにしろ黙々と独りよがりに、ひたすらポーズをとっているのだ。こちらとしてもまったくもって対処に困る。

だからと言って、彼らに向かって「たまや〜」と叫ぶ分けにはいかないだろうし、それにもましてまずいのはペンライトだ。
ボディビルダーに向かってペンライトはないじゃないか。

ペンライトなんか振っているその光景を想像して見たまえ、しかも皆無言だ。これはかなりまずい集まりなのではないか。
ちょっと違うような気がする。
明らかに違うよ。

そう考えたとき、ひたすら自分の世界に入り込み、自信満々にポーズを取っている彼らに向かって言う言葉、それはこれしかないだろう。

「だからどうした」

この一言に尽きるだろう。
しかしながら、ポーズを決めるたびに、「だからどうした」では、やってる本人達はいったいどう思うであろうか。納得がいかないであろうことは想像に難くない。しかしそれもまたしょうがないことなのではないか。原因は彼らにもあるのだ。

そのひとつに、あの雰囲気がかもし出す一種独特の暗さにあるのではないか。とにかくそれをなんとかしなければどうしようもないのである。
ではどうすれば良いか。

まずもって、黙々はいけない。
「もくもく」
何なんだ、この暗い響きは。
とにかくもっと明るく賑やかでなければならないだろう。
であれば、明るい雰囲気をかもし出すのにもっとも手っとり早い方法と言えば、そう、歌だろう。しかし、演歌はダメだ。津軽海峡冬景色なんか歌いながらあんなポーズを取られても見たまえ、想像しただけでも寒いじゃないか。これがまたいっそうの寂しさを誘うことだろう。
なにしろボディビルダーを見ながら涙ぐむなんてのはまっぴらごめんだ。

ここはやはり明るい歌だ。しかも万人に認められてる歌、と言ったらそう童謡だ。
♪お馬の親子は仲良しこよし♪
いったいなんのイベントなんだ、これは。
だいいち、ボディビルダーが子供と手を繋ぎスキップしてどうするんだ。
童謡はダメだ。
どうも歌の問題ではないらしい。

しからば、
「スローモーはいけない」
あののんびりした動きがなんとも緊張感のない、のほほ〜んとした雰囲気をかもし出している。
「のほほ〜ん」
なんとものどかで平和そうではないか。これはいけないだろう。
したがって、
「きびきび」
これがポイントである。
なにしろ動きは常にきびきびであることが重要である。
きびきびポーズを取る。テキパキでもいいだろう。
どう違うのか分からないのだが、とにかくキビキビテキパキだ。

キビキビテキパキ動くボディビルダー。
なんなんだ、これは……
まったく力強さが感じられないではないか。
ボディビルダーにはやっぱり「堂々」としてもらわなくちゃ困る。

ボディビルダーを理屈で見てはいけない。


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