■たわごとですかーっ!!■



▼01/10/26【本屋は油断禁物】

本屋が好きなのだ。なにしろ良く利用する。暇つぶしにももってこいである。
オレに言わせれば、ここはパラダイス。百歩ゆずって、オアシスと言える。
どうして、百歩ゆずってオアシスなのかは、あえて問わない。
なぜならば、本来問われるのはオレだからだ。

そこでは様々な人間模様が展開されているのをつぶさに伺い知ることができる。 例えば、いつまでも同じ場所で同じ本を熟読し、まさかここで読了してしまうんじゃないだろね、と思わせるようなちゃっかり者。
また、せわしなく、目当ての本を探しまくる、非常に邪魔くさい目障りな者。
そして、座れば良かろうとか言って、座って本を読むいかにも屁理屈っぽい若者なんかもいたりする。まさにパラダイスである・・・そうだったのか。
こういう人はどうだろう。
おもむろにごろんと横になって、頬杖をつきながらページをめくる。流石にこんな奴はいない。
正座をし、お茶をすすりながら、「ふんふん」と頷きながら本を眺める人。こんなアットホームな奴もいまのところお目に掛かったことがない。
基本的に本屋では、けっして他の客の迷惑にならないよう、なにしろごく普通のいで たち、これが鉄則なのではなかろうかとオレは断固思う。断固まで思うほどのことか。

人のことばかり気にしていては、いつまでたっても自分の目当ての本は見つからな い。オレは、1冊の本を持って、直立不動で待っている女子店員のカウンターへ。
「消費税込みで、1995円になります。」と、無表情な顔でその女子店員は言う。
そこまで冷静に振る舞わなくたっていいんじゃないか。アイフルの女性を少しは見習 ったらどうだ。どうでもいいことを考えながら、オレはポケットから千円札を2枚取り出し手渡した。
店員は受け取った千円札を1枚2枚と確かめ、それをレジに収め、中から小銭を取りだし、こう言ったのだ。
「お釣りは合計5円になります。良くお確かめ下さい」
受け取った5円を見つめる自分。
5円玉、まさしく5円玉だよこれは・・・ふと我に返る。
たった5円のお釣りで、『お確かめ下さい』ってことはないじゃないか。
うかつにもお確かめしてしまった自分に、何かしら言い知れぬ腹立たしさを感じた。だがそれをぶつけようにもぶつける相手がいない。
本屋では、客も店員も油断がならない。


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