◆たわごとですかーっ!!◆



▼01/8/08【湯が出ない】

湯が出ない。いきなりである。原因は湯沸器の故障である。
マンションの管理会社に問い合わせたら、機器の取り寄せがいつになるか分からないとのこと。こっちの身にもなってくれよ、と言っても埒が明かない。
湯が出ないと、何が困るかって、風呂である。しかもいまは灼熱の真夏。
日中は汗だくであり、その汗を流せないとなると、ことは重大である。一日の汗を流さないと、一日が終わった気がしないのだ。終わらないということは、仕事のしっぱなしってことである。何事もしっぱなしはいけない。これでは過労死する。であるから、是が非でも風呂に入らない分けにはいかないのだ。
しかし水風呂なのである。
お湯の場合、湯風呂とはけっして言わないので、水風呂はやはり普通ではない風呂なのであろう。
正確には湯船に浸かるわけではないので、水シャワーであるのだが、夏とは言え、やはり冷たいことは想像に堅くない。
風呂で心臓麻痺で死んだとあっては、自分の歴史に汚点が残るので、念のため心臓辺りに水を掛け、冷たさに慣れさせる。これじゃまるでプールに入る前の準備ではないか。
そして、おもむろに気合いを込めて水を被る。
「う〜、冷たい」と声にならない声がこぼれる。
これが炎天下の中でのことであったなら、「気持ちいい〜!」とか「うひょぉ〜!」とか、無闇に無邪気になるところなのだろうが、いかんせんここは自宅の風呂である。ひとりで無邪気になるわけにもいかない。仮になったとして、どうだと言うのだ。
シチュエーションによってこうも感じ方が違うものなのだろうか。

問題は、風呂を出た後である。
夏の風呂の良さというと、あえて熱い風呂に入り、そこを出てエアコンの効いた部屋に移ったときのあのひやっとした気持ち良さ。これに尽きる。
しかしいま、水である。
水を散々浴びた身体は冷え切っているので、風呂から出てもちっとも涼しく感じないのだ。これはやはり納得がいかないものである。
このような観点からすると、「夏だからこそ、冷やしラーメンではなく熱いラーメンだ」と言うのも頷ける。
「夏だからこそ、冷たいお茶より、敢えて、熱いお茶がいい」と言うのもまた分かろうと言うものである。
「夏だから、鍋がいいねえ」、、、って言うのはあまり聞いたことがない。
「夏だから、腕立てよりもスクワットだねえ」と言うのは分けがわからない。
そうこうしながら、修理業者からの連絡を首を長くして待つ日々なのだった。


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