
千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とする。
体力維持か、単なる意地か、長年続けている腕立て伏せ。
ややもすると怠け気味になってくる今日この頃。
自分自身への叱咤も含め、ここに記す。
/31:3つ目の山を越えよう /30:アナログな電気屋 /29:ダービー前にテンションが上がる /28:計画通りにはいかない /27:余裕が感じられない /26:誰かがオレを呼ぶ /25:美作へ行く理由 /24:油断できない己の身体 /23:続いて欲しい /22:途切れなく続く毎日 /21:その値は如何ほどのものなのか /20:志願する奴もいる /19:分厚い落とし物 /18:トラブル発生 /17:痛み増す /16:筋肉痛の原因 /15:ラーメンは好きだが /14:思うが思いたくない /13:宙ぶらりんである /12:鉄則を忘れるな /11:偏る食生活 /10:新入社員現る /9:若手だから不安なのか /8:休みがなくて良いこともある /7:夢見て予想する /6:次のエリアへ /5:書類は地獄である /4:花粉症の峠は越えたが /3:朝からばたばた /2:気が付けば大変である /1:気分転換になるのか/
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<2011年 5月> ◆腕立伏◆スクワ◆背筋◆腹筋 31(火) 120 100 〔3つ目の山を越えよう〕 ▼今日、ひとつの山を越えた。 こちらへ来て、ふたつ目の山である。 そして明日から3つ目の山を越えるべく、最後のラストスパートが始まる。 ようやく先が見えてきた。 しかし油断はすまい。 先にどんなどんでん返しが潜んでいるか分からないのだ。 体調はすこぶる良い。 これならなんとかいけそうである。 30(月) 〔アナログな電気屋〕 ▼電気屋に依頼した試験結果書がなかなか来ない。 電話すると、案の定忘れていた。 明日は検査だぞ、と叱りつけ、今日中に出してくれと言ったが、現在遠方にいて持って来れないと言う。 だったらデータをメールで送ってくれと言ったが、メールは敷居が高くてできませんと言うではないか。 もしかして、パソコンもできないわけ? とオレは恐る恐る聞いてみた。 すると、当然の様にまったくできないと言うではないか。 仕方がないので、FAXで送るよう頼んだ。 こんなにアナログな電気屋はなかなかいないと言えよう。 事務所に戻ると、その電気屋からFAXが届いていた。 約束通り送ってきたな。オレは一安心し、その書類を見ると愕然とした。 それはすべて手書きであり、しかもとんでもなく下手であり、さらに先方のFAXが古いのか性能が悪いのか、完全に歪んでいる。 こんなもの、役所に出せるわけないじゃないか。 電気屋は最低でもワープロくらいは使って欲しい。 29(日) 〔ダービー前にテンションが上がる〕 ▼朝、ライスシャワーの文字が入った馬運車を見てテンションが上がった。 我が愛車に、ライスシャワーと言う名前を付けているくらい好きな馬なのである。 こんな偶然はなかなかないだろう。なんだか今日はラッキーデーな予感がする。 そして、こんなときにダービーである。 今回の出走全馬がサンデーサイレンスの孫だと言うではないか。その種牡馬の偉大さが分かろうと言うものだ。 さあ予想だ。オレは皐月賞馬、オルフェーヴルは来ないと睨んだ。 結果は、強かっよ、強かった。オルフェーヴル。 直線のあの突き抜け方は並の馬ではない証明である。 馬券は惨敗したが、負けて納得のダービーであった。 ▼一日雨が降り続く。 そんな中、みな頑張ってやってくれている。感謝である。 これからの台風の進路が気になるところだが、なんとか東へと反れて欲しいと願うばかりだ。 なにしろ、もうあとがない。 ラストスパートもすでに終わりが近付いている。 28(土) 〔計画通りにはいかない〕 ▼昨晩は仕事を早々に切り上げ、みなで飲みに行き、仕事場近くの温泉旅館に宿泊の計画だった。 だがしかし、思いのほか残業が長引き、飲み会どころか危なく旅館の風呂にも間に合わないところだったよ。 まったく何のために温泉旅館に泊まったんだ。 その時間帯では旅館の外の風景は分からない。しかし、川のせせらぎが如何にも温泉街の風情を感じさせる。 そんな風情を聞きながら寝られたのがせめてもの救いだ。 ▼今日は訪問者が非常に多い一日だった。 お陰でやろうとしたことがほとんどできなかった。 夕方頃より雨が降り出す。 ここへきての雨は非常に痛い。 さらに台風が接近しているそうじゃないか。 まだ5月だぞ。 早すぎるよ、早すぎる。 台風の目が明日以降、おもっきり反れてくれることを望む。 27(金) 〔余裕が感じられない〕 ▼Aは仕事場近くのホテルに宿泊している。 「どうだ、いま泊まっているホテルの部屋は」 オレはAに感想を求めた。 「いやあ、まずまずですけど、ちょっと難点は、いつも蚊がいるんですよ。網戸があるのにどこから入ってくるんですかねえ」 「もう蚊いるのか?」とオレは聞き返した。 すると、Aは外をじっと見始めたのである。 「だから、もう蚊いるのか、って聞いているんだよ」 返答がないAに対し、オレはもう一度聞いた。 「えっ、誰が、もう帰るんですか?」 どうやら「蚊いる」と「帰る」の完全な聞き間違えであり、そもそも話の流れからしてそんなことにならないじゃないか。 ▼岩手方面に行っている若手のNに久しぶりに電話してみた。 そこでは書類担当を任されているらしく、かなりヘビーな毎日を過ごしているようである。会話にもまったく余裕が感じられない。 そしてオレはNに聞いた。 「それでNはいつまでそこにいるんだ?」 「えっ、そうなんですか?」 まったく会話が成り立っていない。 かなりきてる感じが受け取れるが、Nの場合、それが普通だからなんの不思議もない。 ともあれ、みな余裕がなくなっているのは確かだ。 26(木) 120 100 〔誰かがオレを呼ぶ〕 ▼「すいませ〜ん」 どこからか、オレを呼び止める女の声がする。 振り向くとそこに、車に乗ったおばちゃんがいた。 おばちゃんだが、仕方がないので聞いて上げることにした。 どうかしましたか、と尋ねると、「ハンドルが回らないんです」と言う。 これはただごとではない。 ハンドルが回らないと言うことは、曲がれないと言うことであり、それじゃまるで、猪突猛進カーだよ。 そんなバカなことを言ってる場合ではない。 なにしろ、そのおばちゃんの困惑のさまは不憫でならない。 これはなんとかせねばなるまい。 まずはその原因を探ることが重要だ。 オレは運転席にいるそのおばちゃんに近寄った。 そしてオレはこう言ったのだ。 「その手に持っているものはなんですか?」 おばちゃんの手に握りしめられているもの、それはまさしく、車のキーだった。 よほど焦っていたのかも知れないが、それにしたって、キーを差し込まずに、ハンドルが回りませんはないじゃないか。 そして無事、エンジンは掛かったし、当然、ハンドルも回った。 こんなことで感謝感激されるとは思わなかったが、なんだか嬉しい気分になるから不思議だ。 25(水) 〔美作へ行く理由〕 ▼郡山の商社に務めるO氏が請求書を持って事務所兼住まいにやって来た。 夜である。 しかも、すでに10時を回っている。 こないだもこんな感じだった。 郡山市内に住んでいるはずだが、連日こんなに遅いんじゃ家族は心配してるんじゃないかと思うのだが。 すると、今は一緒にいないのだと言う。 まずいことを聞いてしまったかと思ったが、良く聞くと、奥さんと子供二人、それと義父母は避難したのだと言う。 郡山は計画的避難区域でも避難区域でもない。 それでも、子供の将来のために郡山を出たのだと言う。 しかもどうやら避難ではなく、永住の地を求めて出たのだと言うではないか。 ところで、どこに行ったのかと聞けば、岡山に行ったらしく、てっきりそこに親戚でもいるのかと思いきやそうではなく、あれこれネットなどで調べ、決めたのだと言う。 確かに、岡山はいいところだと思う。 岡山のどこだと聞くと、「たぶん知らないと思うんですけど」と前置きし、O氏はこう言った。 「美作(みまさか)です」 「なに? 美作だって? 知ってるよ、知ってるともさ」 美作は数年前に行った思い出の地であり、なぜそこに行ったかと言えば、決まってるじゃないか。 宮本武蔵誕生の地だからだ。 正確には、誕生の地とされている、だが。 なにしろ、美作と言えば、武蔵であり、生家や武蔵神社、資料館、さらには、宮本武蔵駅まであるのだ。 そんな情報をあれこれO氏に与えたが、まったく興味を示さなかった。 台無しである。 しかしながら、あの大自然である。住むには少々難ありと思うのだが、O氏の家族が美作を選択した理由を是非とも知りたいものだ。 24(火) 〔油断できない己の身体〕 ▼夜中じゅう背中が痛み、なかなか寝られないのだった。 薬が切れたのである。 薬と言っても危ない薬ではない。 誰もそんなことは聞いていない。 帯状疱疹の薬が昨日切れたのである。 発症から1週間経ったので、まあ大丈夫だろうと思ったのだが、意外と大丈夫じゃなかったわけである。 そして、これはいかん、と病院へ薬をもらいに行ったのだ。 それにしても混んでいる。 夕方近くだったのでそれも無理はないとは思うのだが、それにしたって薬をもらうだけで40分立ちっぱなしかよ。 さらに、前回とは比べものにならないくらい受付の女性の機嫌が悪い。 いきなり、どんなわけでここに来たのかくらいに質問してきた。 あまりにつっけんどんだったので、自分の疾病が頭から吹っ飛んでしまい、たいじょう…、と言ったきり、その後が出てこなかったよ。 そもそも診察券で調べれば分かるだろうに。 ともあれ、2週間分の薬をもらい、食後ではなかったが、待ちきれずその場で飲んだ。 取りあえずこれで一安心だ。 まだしばらく油断はできない己の身体なのである。 23(月) 〔続いて欲しい〕 ▼今日は暑くもなく、寒くもなく、まったくベストな気候だった。 おまけに風も少ないと来た。こんなことはめったにない。 これがあと10日、続けばいいなと、と無理な希望をしたりする。 ▼帯状疱疹は順調に回復しており、発疹もかさぶた状態になってきた。 1週間分の薬も今日で終わり、あとは自然回復を待つばかりだ。 22(日) 〔途切れなく続く毎日〕 ▼昨日のあの暑さはなんだったんだと言うくらいに今日は涼しい。 ややもすれば、寒いくらいだ。 何だか、弄ばれてる気分である。 仕事の方はと言うと、現在2度目の山場を迎えており、したがって身体の疲労も次第に増えてきている。と言うか、実際のところ増えてるのかどうなのか、まったく分からないぞ、こりゃ。 ともあれ、このところ朝が辛い。 6時10分にセットした目覚ましが鳴ると、その10分後に無理矢理起きる。 バタバタと支度し、その20分後にアパートを出る。 そして、高速道路に乗り、仕事場まで約60分。 8時の朝礼から仕事が始まり、気が付けば日が暮れていると言う毎日である。 一度帰宅してから再度、晩飯に出るのが面倒なので、このところは仕事場の近くで済ますようになった。 そして今日も仕事場近くのそば屋で、同居人のHと共に晩飯を済ませ、高速道路をひた走り、21時過ぎ帰宅。 思い付いたように洗濯をし、一日は終わるのだった。 21(土) 〔その値は如何ほどのものなのか〕 ▼気温31度。昨日よりもさらに1度高い。 どうやらここは、夏は夏で暑い地域らしい。 さらに風が強い。それはもはや心地良い風と言うのではなく、埃にまみれた熱風と言った感じの風である。 この中に、放射性物質は含まれていないのかと疑心暗鬼にかられるが、そもそもなんだ、その20兆ベクレルってのは。 これまでに福島原発が垂れ流した放射線量らしいが、それはすでに人間の想像を超えた量であり、つまり、もうどうにでもなれと言うような、半ばやけくそ的な感じが、そよそよと漂っているのである。 そもそも、それがいったいどれくらいまずい値なのか。海のダメージはどれほどなのか。まずはそれを分かりやすく説明することが、非常に大切だと思います。 20(金) 120 〔志願する奴もいる〕 ▼気温30度。いよいよ本格的に夏の様相を呈してきた。 福島入りした当初のあの寒さがうそのようである。 寒けりゃ寒いで身体は膠着して動かないし、こうも暑いと今度はばてて動かなくなる。 なかなか都合良く、ちょうど良くなどとはいかないものである。 ▼岩手に派遣のNと話す。 向こうもなかなか大変な状況であるが、取りあえず7月一杯で落ち着くと言うことだ。 そのあとどうするのか聞いてみたら、まだまだ大変な宮城行きを今度は志願するつもりだと言う。 なかなか見上げた心意気だが、実のところ、本社に戻って仕事をするよりも、今の方がよほど良いのだと言う。 それは思うに、非日常の魅力とでも言おうか。 日頃味わえない開放感、刺激がここにあるのは確かである。 Nは、その魅力を覚えてしまったのかも知れない。 そうやって深みに入り込み、いつしか壊れていくのかも知れない。 ほどほどにしろよ、とオレは一言添えて電話を切った。 帯状疱疹は少しずつ良くなってきている。 19(木) 〔分厚い落とし物〕 ▼こんなものがトイレに置いてありました、と電気屋のオヤジが持ってきたのは、分厚い封筒である。 分厚い封筒と言えば、たいていの場合、入っているものはこれだろう。 ビフテキ。 ちょっと待て。 いまどき、ビフテキってことはないじゃないか。 かと言って、ステーキでもない。 分厚い封筒に入っていたものは、札束であった。 念のため、数えてみると、45万1千円あった。 つまり、大金である。 それにしても、なんて正直者なんだ、電気屋のオヤジ。 ややもすれば、そのままポケットに入れてしまっても分からないのではないか。 オレはひとしきり感心し、ひとまず預かって置くことにした。 もしも今日、持ち主が現れなかったら明日の朝礼で聞いてみよう。 30分ほどして、青ざめた顔の夫婦が現れた。 オレは即座に、これでしょ、とお金の入った封筒を差し出した。 さぞかしホッとしたのだろう。 何度も頭を下げお礼を言うのだった。 オレはその夫婦に、お金は電気屋のオヤジが届けてくれたことを教えた。 正直者の電気屋のオヤジのお陰で、なんだかとても清々しい気分になったのだった。 18(水) 〔トラブル発生〕 ▼なにしろ大変な一日になってしまった。 オレにとってはかなりの痛手であったが、それでも不幸中の幸いだったと言えるかも知れない。 1年のうちに何度かこんなことはあるものだ。 一度長文を書いたのだが、すべて削ってしまった。 取りあえず、前向きに行こう。 ますはそれからだ。 17(火) 〔痛み増す〕 ▼昨日はそれほどでもなかったのだが、今日はやけに身体が痛い。 背中にかけての帯状疱疹が、上を向いて寝るのに非常に苦痛になっている。 だったら横を向いて寝ればいいじゃないかと思う向きもあるだろうが、基本的にオレの寝るスタイルは上向きなのだ。 因みにうつ伏せに寝る奴の気が知れない。オレがうっかりうつ伏せになど寝てしまったら、鼻血ブーだ。 そんなことはどうでもいい。 とにかく今はこのにっくき帯状疱疹を治すことだ。 と言っても、その手だては薬しかないわけだけれども。 16(月) 〔筋肉痛の原因〕 ▼数日前から右半身の筋肉痛が取れないと思っていたら、いつの間にか胸から背中にかけて発疹ができていた。 痒いのではなく、どちらかと言えば痛いのである。 こんなことは初めてなので不可解に思い、廻りの人間に言ったらすぐに病院に行った方が良いと言うではないか。そんなわけで近くの皮膚科へ行った。 先生は開口一番言った。 「帯状疱疹です」 帯状疱疹は水疱瘡のウイルスが暴れ出すことによるものらしいが、根本的な原因は疲労に他ならない。 ともあれ、何か原因不明の病気じゃなくて良かったよ。 5種類の飲み薬と塗り薬を処方してもらった。 これでひとまずは一安心である。 15(日) 〔ラーメンは好きだが〕 ▼昨日から少々体調が悪く、非常にトーンダウンしていたのだが、仕事が終わって焼肉を食べたら、見事にトーンアップした。 思えばほぼ毎晩の様にラーメンだったからなあ。 福島にラーメン食べ歩きに来たわけじゃないぞ。 ラーメン、好きだけど。 ともあれ、連日のラーメンではなかなか体力の回復も難しく、肉の性能に改めて感心した次第である。 14(土) 〔思うが思いたくない〕 ▼非常に暖かい一日。 暖かすぎて春眠曉を覚えず状態である。 ▼ここ数日、廻りの陣に鼻出血が流行っている。 たまたまなら良いのだが、まさか放射能のせいではあるまいな。 ふと、そんな良からぬ事を考えてしまったりする。 それにしても、メルトダウンか。 なんだか発表するタイミングを計っていた様な気がするのは気のせいか。 しかしながら、メルトダウンの発表があってからそれほど大騒ぎしないのは、逆に何か多大な問題があってのことではないかと勘ぐってしまう。 まず懸念されるのは、非難区域の拡大だろう。 少しずつその範囲は広がり続け、気が付けば福島県一帯となりはしまいか。 誰もが思うことだろうが、思いたくない事である。 13(金) 120 100 〔宙ぶらりんである〕 ▼昨日の土砂降りはすっかり上がり、一転して良い天気となった。 しかし、風が強い。 一瞬、地鳴りかと思いきや、暴風だったりする。 そう言えば、ここ最近、地震がめっきり来なくなった。 溜めに溜めて、ドカンと言うのだけはやめて欲しいものだ。 ▼本部長、副本部長、支店長と非常に訪問者の多い一日だった。 そんな中、オレの身の振り方が非常に中途半端なことになっている。 片や、次の物件が東京であるので戻って来いと言う者。片や、まだこっちにいなくてはダメだと言う者。いったいオレはどうしたらいいんだ。 まったくもってオレの身は宙ぶらりん状態である。 12(木) 〔鉄則を忘れるな〕 ▼短期で来ていたOが来週から宮城へ移ると言うことで、同居人のHと3人で、郡山駅前の居酒屋で飲んだのだった。 Oは、東京にいるよりもこっちにいる方が楽しいと言う。 よほど東京での仕事が大変と見えるが、それよりもやはり出張で来ている者どうしの関わり合いが楽しいと言うのだ。 こう言う環境で生活していると、自然と連帯感が生まれる。 一緒に生活する時間も多くなれば、かなりの本音も出さざるを得ないだろう。 そう言う雰囲気がすごく心地良いようだ。 しかしながらこれから先、そう思うだけの余裕がどれだけあるだろうか。 悲観してどうするんだ。 物事は何事も楽観だ。危なくオレもその鉄則を忘れるところだったよ。 11(水) 120 100 〔偏る食生活〕 ▼夜中、携帯の緊急地震速報がけたたましく鳴った。 身構えていたが、結局揺れなかった。 こんなことが2回あり、昼間ならそれほど気にならないが、その度に起こされるのはあまり気持ちの良いものではない。 実際のところ、緊急速報が鳴って、揺れることはかなり少ないように感じる。 鳴っても、飛び起きて足を踏ん張るどころか、寝たまんまと言うことがほとんどなのである。これじゃ、緊急速報に意味がないじゃないか。 それでも油断はいけない。 いつ、それが本当になるか分からないのだ。 ▼晩飯は今日も同居人のHAと食べに行く。 近くに食べ物屋はなく、いつも車で出掛けるのだ。 今日は何を食おうかと思案する二人。 昨日の晩飯はラーメンだった。昼は、確かラーメンだったはずで、この期に及んで今晩もラーメンってことはないじゃないか。 HAは言う。 「いいじゃないですか、とんこつだから」 そうか、そうだな、と納得し、今晩もしっかりラーメンを食べた。 考えてみれば、週に8割はラーメンの様な気がする。 これが果たして身体に良いのか、悪いのか。 ラーメンに罪がないのは確かだ。 10(火) 〔新入社員現る〕 ▼足のサイズは30。 そんな噂の新入社員が部長と副部長とに連れられてやってきたのが、今日の夕方である。 どれだけ体格の良い奴が来るのかと思ったが、ただでかいだけだった。 典型的なあんこ型である。 そんなあんこが、開口一番オレに向かってこう言った。 「初めまして、○○株式会社のNです」 社内の人間に向かって、社名を名乗る奴があるか。 と言うか、オレを社員だと思ってなかったりして。 「あまえが運転してきたのか?」とオレが問うと「無理です」と言う返事。 「もしかしてペーパードライバーか」と言えば、「はい、厚めのペーパードライバーです」ときた。 キャラクター的になかなか味のある奴である。 そんなNは今夜福島に一泊し、明日は岩手へ向かうのである。 配属早々、いきなり過酷な日々が始まっている。 どうにか持ち堪えて欲しいものだ。 ▼若手のOに寄れば、市の検査員がここの放射能を測りに来たと言う。 測定値は3.5。 けっこう高いじゃないか、とオレが言うと、Oは検査員はこう言っていたと言う。 「3.8までは大丈夫です」 じゃあ安心、って、ちょっと待て。 大丈夫じゃない値まで、0.3しかないじゃないか。 しかし、実感はない。放射能には色も匂いもないのだ。 9(月) 120 100 〔若手だから不安なのか〕 ▼先週から福島入りしている若手のOだが、なにしろ何の準備もできぬまま来てしまったらしく、それだから服装はすべていま着ている作業服しかなく、作業中はどうせ汚れるのだからそれ一着で何とかなるにしても、寝るときも作業服ってことはないじゃないか。 いついかなるときも作業する準備オーケーってわけなのか。 それじゃいつまでたっても疲れは取れないだろう。 さらに、目がよく見えないと言うので聞けば、何週間も同じコンタクトレンズを装着したままだと言うではないか。 目の前にメガネ屋があるので、そこへ行って買ってこいと促し、行かせると眼科の検査があって、その結果に応じてコンタクトを用意するのですぐには貰えなかったと言う。 この様なことから、Oの気質を強いて言えば、こんなところだろう。 どこまでも行き当たりばったり。 果たしてやっていけるのか、この過酷な環境で。 8(日) 〔休みがなくて良いこともある〕 ▼どうもどこに電話をしても誰も出ないと思ったら今日は日曜日なのだった。 どうりでラーメン屋が混んでいると思ったぜ。 この様にすでに一ヶ月超、休んでいないわけだが、休みがなくて良いこともある。 「あ〜明日から仕事かあ」などと憂鬱な気分になることがないのだ。 これがはたして良いのかどうか分からないが、そんな風に思わなきゃ、やってられないじゃないか。 ▼相変わらず、風が強い福島だが、気温は十分に暖かい。 そろそろクーラーが欲しくもなってくる。 しかし、ここにそんな贅沢な設備はない。 昨日やっと水道が引けたのである。 書類作成のためのパソコンも充電池がもつまでだ。 それでも、アパートに帰れば、すべてそろっているのだから文句は言うまい。 24時間、不自由な思いをしている人々が何千人、何万人もいるのだからな。 7(土) 〔夢見て予想する〕 ▼所用で市役所に行く。 もの凄い人だ。 被災者の人々が様々な手続きをしているのである。 役所の担当者の顔もまったく余裕がない。 みな大変である。 ▼今日も飯坂温泉方面へ。 須賀川も風が強いと思ったが、ここもそれに負けず劣らず風が強い。 風が強いと、疲れも倍増すると感じるのは気のせいだろうか。 なにしろなんだか非常に疲れている。 本人はそんなつもりはないのだが、どうも身体が言うことを効かなくなっているのだ。 それでも明日は競馬だ。 NHKマイルカップ。 当たれば疲れも吹き飛ぶんだろうな。 それを夢見てオレは予想するのだ。 6(金) 〔次のエリアへ〕 ▼福島県は須賀川地区の仕事も終わり、福島市内の飯坂温泉方面へ向かう。 久しぶりの高速道路移動だ。 約60キロ。 通うには少々遠い気もするが、岩手方面のことを思えば文句は言っていられない。 なにしろ、岩手と来たら、片道2時間掛けて通っているのだと言う。 往復するだけで疲れそうだ。 現地は、なかなかの街中であり、イオンはあるし、ヤマダ電気もある。 いままでとはまったく違う、不自由のない環境だ。 このエリアの仕事はすでに始まっており、かなり規模も大きいため非常に賑やかである。 我が一味もここは7人体制となった。 明日からここでオレは張り切るのである。 5(木) 120 〔書類は地獄である〕 ▼検査後の手直しも終わり、最後の書類を提出する。 なかなかボリュームもあり、オレの力作だ。 力作だが、なんて手直しが多いんだよ、まったく。 先方からさっそく連絡が入り、こと細かい修正の指示があった。 そのまま受け取ってくれればいいものを。 やっと終わったと思い、ホッとしたのも束の間だった。 そもそも、このペーパーレスの時代にこんなにも書類があるとは何事だ。 オレは疑問視せずにはいられないのだ。 まだしばらく底の知れない書類地獄は続きそうである。 4(水) 〔花粉症の峠は越えたが〕 ▼急に気が付いたかのように、Aが言う。 「あれ? 大丈夫ですよ、鼻」 Aも花粉症なのであるが、どうやら峠を越したようだ。 昨日から福島入りした若手のOもマスクをしている。 「Oも花粉症なのか」とオレが問いただすと、ちょっと困った様な顔をして、Oはこう言った。 「実は、違うんですよ」 じゃあ、そのマスクはいったい何マスクなんだ。 まさか、伊達マスクと言うわけじゃないだろうな。マスクはファッションにならないぞ。 すると、Oはこう答えた。 「放射能対策マスクです」 昨日来たばかりだから無理もないが、やはりそういうイメージなのか。 まったく心配はないぞ、と戒めたが、いまいち信用していないようだ。 思わぬところで風評被害を実感したのである。 3(火) 120 100 〔朝からばたばた〕 ▼今日はいよいよ、仕事のオーラスとなる最終の検査である。 朝、出がけにふと見るとファックスが流れてきていた。 書類の追加作成依頼である。 いまからかよ。 オレは慌ててパソコンを立ち上げ、書類を打ち込み、印刷ボタンを押した。 しかし、プリンターから反応がない。 たまにこんなことがあるだろう。しかし今回ばかりは、何度やってもダメだ。 なんでこんなときにだよ。 オレは仕方なく、車からインクジェットプリンターを引っ張り出した。 数枚くらいはこれでも大丈夫だろう。 だがしかし、今度はUSBケーブルが見当たらないではないか。 焦れば焦るほど、時間は過ぎる一方だ。 カバンの奥からUSBケーブルを引っ張り出し、なんとかかんとか、印刷することができた。 検査開始は10時半である。 オレは慌ててアパートを飛び出し、現地に向かった。 そんな甲斐も虚しく、検査官は30分遅刻しました。 この様にばたばたな一日だったが、大きな問題もなく終了。 終わりよければすべてよしだ。 あとは少しの手直しと、書類をまとめてこのエリアは終了。 そして、次の場所へと移動する。 2(月) 〔気が付けば大変である〕 ▼今日は引き渡し検査の第一弾であった。 なかなかの評価を得たものの、最後の難関は明日である。 今日も明日に向けての準備に余念がない。 余念がないので当然、気が付けば夜もすっかり更けている。 ▼横浜の弟から電話があった。 「まだ、福島にいるのか」と言う。 いるので、いると答えた。 けっしてそんなことは言わない弟だが柄にもなく、「身体に気を付けろ」などと言う。 端から見ると、よほど大変に思えるらしい。 気が付けば、いつの間にか大変になっているわけだけれども。 1(日) 〔気分転換になるのか〕 ▼福島に来て第一弾の仕事もいよいよ佳境に入っている。 最後の締めの提出書類作成に余念がない。 余念がないと、あっと言う間に一日が終わる。 それでも、馬券はしっかり買うし、そして外れる。 ヒルノダムールかよ。 このように、競馬がなかなか気分転換にならないのだ。 いや、馬券を検討しているときは一時、仕事を忘れられる時間なのである。 明日から一人、東京から遠征してくるらしい。 少しは負担が軽くなれば良いが。 byクムラ〜 |
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