千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とする。
体力維持か、単なる意地か、長年続けている腕立て伏せ。
ややもすると怠け気味になってくる今日この頃。
自分自身への叱咤も含め、ここに記す。
/30:なんとなく危機、そして送別会 /29:訪れる秋 /28:DVDも地デジ対応 /27:アイアンマン /26:踏み間違える /25:デジタル化の弊害 /24:戦う方言 /23:パソコンとらぶる /22:横綱の行く末 /21:所有欲 /20:万博を懐かしむ /19:戒めを思い出し誓う /18:たまには飲みたい /17:それぞれの人間観 /16:台風の前の長閑 /15:マイナス思考はいけない /14:歴史に浸かる /13:気ままに走る /12:犬との関係 /11:地震の噂 /10:聞いても分からない /9:男らしい持ち方 /8:テレビの選択 /7:気まぐれ天気 /6:今年最後の花火観賞 /5:秋を感じる /4:天然は裏切らない /3:妙なハガキが届く /2:番組の途中ですが /1:ペットショップの誘惑/
<2008年 9月> ◆腕立伏◆スクワ◆背筋◆腹筋 30(火) 60 100 〔なんとなく危機、そして送別会〕 ▼ガソリンの価格が少し下がってきたような気がする。 しかし、これも束の間の安息なのかも知れない。 なにしろ、いまアメリカがとんでもない経済状況にあるからだ。 リーマン破綻に伴い、すでに大恐慌に入っているのではないかと言う噂もある。 八方ふさがりのアメリカは、金融封鎖を行う可能性もあるらしいから、そうなったら日本も多大な影響を受けることは間違いないだろう。 もしかしたら、銀行の金の引き出しが自由に出来なくなる恐れがあるのだ。 困るなあ、これは。 あれもこれも買えなくなっちゃうよ。 どうせたいしたもんじゃないけど。 なにしろへたすれば、この影響でガソリン価格なんて、年内中に200円突破はおろか、300円近くまでいっちゃう可能性を指摘する向きもあるのだ。 ガソリンはまだしも、深刻なのはこれから冬を迎える寒冷地だろう。 もはやまともに石油なんか買えなくなるのではなかろうか。 なんだか石炭が懐かしいよ。 ここで一つ、いきなり懐かし話をしようじゃないか。 小学校の始めの頃は、まだ石炭ストーブだった。 ストーブに一番近い席の者が石炭係であり、火が消えない様、監視し、石炭を補充する役目なのだが、火を消したら最後、どんな非難、仕打ちが待ち受けているか知れない。そんなの気にしてたら、授業どころじゃないよ。 そんな石炭のほろ苦い思い出である。 思い出に浸っている場合ではない。 いま、危機的状態にあるんだぞ、世界は。 食料はどうなんだろうか。なにしろ日本の食糧自給率は40パーセントしかない。 したがってもし、輸入規制などされたりしたらとたんに国民はひもじいよ。 いまのうちに、カップラーメンと缶詰でも買いだめしておくか。 それにしても、なんだか過酷な世の中になってきたなあ。 これらがすべて、単なる杞憂であれば良いのだが。 ▼女子社員N山の送別会であった。 就寝時間21時。休日外出時間ほぼ皆無。男っ気なし。もしかしたら、女っ気かも、などと言う汚名を着せられたまま、会社を去るわけだが、去ってしまったら最後、何を言われても致し方あるまい。 女子社員S木のプリクラを貰って大喜びしているあたり、如何にも怪しいしな。 本来ならば、たっぷりある有休を消化しつつ、次の仕事の策を練るのだろうが、まず間違いなく、その有意義な時間はネットとゲームで費やされ、それどころじゃないだろう。 そんな調子で新しい職場で大丈夫なのだろうか。 そんなN山が、なんだか羨ましく思うのだった。 29(月) 120 100 〔訪れる秋〕 ▼朝から雨。 終日、しとしとぴっちゃん降り続いた。 そして涼しい。ようやく秋の訪れか。 そういや何か忘れてると思ったら、今年はまだ中津川の栗きんとんを食べてないな。 それまでオレに取って栗きんとんと言えば、お節料理のあの甘い蜜の様なものに包まれた栗であったのだが、この中津川の栗きんとんはまったく別物である。 栗きんとんの常識を覆す栗きんとんなのだ。 目からうろこだったなあ、これは。 そんな風情に浸っている場合ではない。 また台風が近付いているのだ。 チャンミーなんて言う、茶目っ気たっぷりのふざけた台風だ。 こないだは直撃を免れたものの、今回も日本列島はしっかりと射程距離に入っている。 3日後、最接近する。 くれぐれも油断はできない。 28(日) 〔DVDも地デジ対応〕 ▼大須アメ横へ繰り出す。 そろそろ地デジ対応のDVDドライブが欲しくなったからだ。 4〜5千円も出せば買えると思ったが、その価格帯では如何せん、肝心の再生ソフトが付いていない。再生ソフトも地デジ対応でなければダメなのである。 結局、メルコ製を6980円で買った。 ▼昨晩のK−1グランプリ開幕戦の感想を言えば、本命のセーム・シュルトがピーター・アーツに負けたことで、俄然、バダ・ハリ優勝の可能性が高くなったと言えるだろう。 個人的には、ルスラン・カラエフが好きなのだが、如何せん体力的に難がある。 なんにせよ、ベスト8に残った選手はどれもそれほど力の差があるとは思えない。 こんなときに来るのがノーマークの選手である。 そう言う観点から言えば、オランダのエロール・ジマーマン辺りが非常にくさい。 12月の決勝が楽しみである。 27(土) 〔アイアンマン〕 ▼映画を観に行った。 かねてから観に行こうと決めていた映画である。公開初日の今日、さっそく観に行ったのだ。 その映画は、「アイアンマン」 くれぐれもトライアスロンの映画ではないし、ましてや、クリーニング屋さんのドキュメンタリーでもない。 もしかして、アイロンマンとでも言いたいのか。 言わせておけ。 ざっくりと解説すると、兵器会社の天才技術者兼社長が悪党一味に捕らえられ、兵器を作れと命じられるが、作ったのは兵器ではなく、そこから脱出するためのパワードスーツであった。その後、自ら生み出した兵器に疑問を持ち、それらを壊滅させるため戦う、そんな、ほぼ想像通りの内容であるが、単純に凄く面白かったよ。 少々、ロボコップを連想させるものがあったが、オレ的にはストライクゾーンの映画であった。 映画を見る前にグッズ売場で見たペンダントトップが何か分からなかったが、観賞後判明したので、記念に買って帰りました。 26(金) 60 100 〔踏み間違える〕 ▼女子社員N美の知人が先日事故ってしまったらしく、アゴを骨折すると言うなんとも痛々しい話を聞いた。どうやら原因はブレーキとアクセルの踏み間違えではないかと言う。 そんな矢先、今日、会社のAが浮かぬ顔で帰ってきた。 今日はついてませんよ。 そう言うAに、どうしたんだと聞くと、駐車していたAの車に別の車がぶつかったのだと言う。 相手は年配の女性で、原因はやはり、ブレーキとアクセルの踏み間違えらしい。 この踏み間違えによる事故は良く聞く話で、コンビニに突っ込んだり、立体駐車場をダイビングしたりと、半ば定期的なニュースとなっている。それくらい多いのではないか。 これはどうにかできないものか。 そもそも、ブレーキとアクセルの位置が近すぎるのではないか。 咄嗟の判断においては、どっちに足がいってもおかしくないのである。 したがって、ここは思い切って、ペダルを左右一杯に離したらどうかと思うのだ。 少々扱いにくい面はあるが、それだけ離れていれば、間違うこともなかろう。 かえって危なくないか、それ。 いや、そんなことはない。 右足だけでは無理だと言う場合は、当然左足の出番である。 右足でアクセルを踏んだならば、左足はブレーキだ。 それぞれの足に役割を分担しておけば、咄嗟のときも、踏み間違えなど起きようがないのではないか。 そもそも左足を遊ばせておくのはもったいない話ではないか。 いつも過酷な労働を強いられている右足が可愛そうと言うものだ。 暴走してもおかしくないよ、そりゃ。 もっとも、マニュアル車の場合の左足は右足以上に活躍している。渋滞の上り坂なんて言ったらもう、膝がガクガクブルブルだよ。 そう言った観点から言っても、オートマだって左足を是非とも活躍させてやって欲しいのだ。 左足を征するものは世界を征する。 いったいなんの話だよ。 25(木) 120 100 〔デジタル化の弊害〕 ▼昼休み、事務所で昼寝していたら、いつの間にかとっくに昼休みが終わっていた。 皆さんは仕事をしていました。 気を使ってか、無視してか、誰も起こしてくれないのだった。 すっかり取り残された気分だ。 中途半端に起床したものだから、それからというもの身体がけだるい。 不用意に昼寝なんかするものではないな。 午後、けだるい気分で外出したら、天候も次第にけだるくなり、そしてついに雨となった。 この様な、けだるさは、天候にまで波及するらしい。 どういう理屈だよ。 何はともあれ、シャキッとしなきゃダメだな、シャキッと。 ▼最近は、すっかりテレビ放送もデジタル化され、したがって録画もデジタルでするようになった。画質がアナログとは雲泥の差だからだ。 しかしながらそれによる弊害もある。 パソコンでDVDが観られなくなったのである。 なにしろ、こないだ撮った、アーノルドシュワルツェネガーの出世作「コマンドー」が観られなくて、こまんどー。 洗練かつ熟成されたギャグはこれくらいにしておこう。 どうやらDVD再生ソフトがデジタルデータ、つまりCPRMに対応していないようだ。試しに対応ソフトの体験版をインストールし使ってみた。 やはりダメである。 DVDドライブ自体がデジタルデータに対応していないのだ。 次に買うドライブは、ブルーレイだろうと思っていたが、まだまだ高価で性能もいまいちである。となると、取りあえずは、CPRM対応のDVDドライブと言うことになるのだろうが、いつまで経っても新規格と追いかけっこだな。 24(水) 60 100 〔戦う方言〕 ▼女子社員N山は最近寝付きが悪いと言う。 そもそも毎日夜9時には床についていること自体、にわかに信じられない事実であるが、寝付きが悪ければ、いくら早く床についても意味がないと言うものだろう。 いったい原因は何なのか。 「足がむずむずする」 それを聞いたS木はかいつまんでこう言ったのである。 それって、「こしょぐったい」ってこと? なんなんだよ、その、「こしょぐったい」ってのは。 言いたいことは何となく分かるが、だがしかし少々の違和感は否めない。 日本語はできるだけ正しく使いたいものだ。 そこでオレはすかさず正した。 「こちょばしい」だろ、普通は。 すると横で聞いていたN美から呆れた様子でこう判定が下されたのである。 正解は、くすぐったい、です。 いや、オレも薄々知ってたけどな。 こうして、名古屋弁vs北海道弁はイーブンに終わった。 だがしかし、この戦いは、まだまだ続くのだった。 23(火) 〔パソコンとらぶる〕 ▼マシントラブル発生。 我が自作パソコンである。 どうしたのかと言うと、電源が入らなくなったのだ。 この類の大きなトラブルは1年に一回はある。 慣れているとは言え、面倒くさいものだ。 念のため、メモリーを差し替えたり、グラフィックボードを交換したりもしてみたが、一向に立ち上がる気配がない。これはもう、電源ユニットの昇天に違いないだろう。 調べてみたら、もう7年半も使っている年期モノなのだった。 壊れて当然と言えるだろう。 さっそくパーツ屋へ走った。 案の定、電源もピンキリである。 聞くところによれば、安いものは効率が悪いために電気代がけっこうバカにならないと言う。したがって長期間使うことを考えれば、初期投資が少しくらい高くてもじゅうぶん元が取れるのである。 そこでオレは思い切った。 18、800円の 650W を選びました。 電源ごときで2万円近いのかよ。 万が一、原因が電源ユニットじゃなかったらショックは大きいが、どうせ組立てマシンなのだから使い回しが効くだろう。 気晴らしに本屋へ行った。 どんな脈絡だよ。 気分的に小休止したい気分にかられたのだ。 買った本は3冊。 司馬遼太郎「燃えよ剣」の単行本版、アイザック・アシモフの「われはロボット」、黒川伊保子の「恋するコンピュータ」である。 いまの気分を端的に表しているとも言えるが、いつ読むのかは皆目分からない。 そんなことよりもコンピュータの修理だ。 マクドナルドでさっと腹ごしらえをし、さっそく作業に取り掛かった。 急がねばならない。 なぜならば、9時から楽しみにしていた格闘技ドリームがあるのだ。 そんなことかよ。 なんとかそれまでに終わらせ、すっきりした気分で見たいではないか。 気合いの甲斐あって、時間までにすべての接続が完了し、そして電源オン。 無事起動。 ああ、なんて清々しい気分なんだ。 まだまだ頑張ってくれ、我がマシンよ。 22(月) 120 100 〔横綱の行く末〕 ▼大相撲秋場所も中盤に差し掛かり、朝青龍が絶不調だ。 昨日までですでに3敗目を喫しているわけだが、その内容がけっこう厄介なことになっている。もっとも、厄介にしているのは朝青龍本人であるわけだが、問題はその結果に対する行動である。 昨日の一番は非常に微妙であった。 朝青龍のかかとが土俵を割ったとの微妙な判定を受け、何度も三保ヶ関審判を睨み付ける朝青龍。 いいのかよ、そんなことして。 ほんとはダメである。 かつての相撲界においてはまったく考えられなかったことであるし、そんなことは許される行為ではないだろう。いくら納得のいかない判定が出たとしても、けっして口ごたえなど出来る世界ではなかったはずだ。 だがしかし、朝青龍はそんなことはまったく意に介さない。 親方の威厳を屁とも思っていないその態度は、朝青龍ならではと言えるだろう。 完全に舐めきってるとしか言いようがないのだ。 これまではダントツに強かったがゆえ、大目に見て貰えた部分は大いにあるだろう。 しかし、力の衰えが見える現在においては、そんなものは屁の突っ張りにもならない。 本人もそれに薄々気付いているはずだ。それに堪えられなくなったときが引退のときである。 そして今日、安馬に敗れ、4敗目。 その時期は意外と早いのかも知れない。 だがしかし、これだけは言おう。 オレはまだまだ引退しない。 何にだよ。 21(日) 〔所有欲〕 ▼携帯のハンズフリーフォンが壊れたので、ブルートゥース、つまり無線式のハンズフリーを買ったのだが、音楽再生に対応していないことが分かり、これではドライブ中の音楽鑑賞ができなく困るので、思い切って、普段用にiーPodを買おうかといつもの電機量販店へ行った。 店内をうろうろしていたら、良いモノを見つけた。 FMトランスミッターである。 車で携帯プレイヤーを聴くとなると、普通これが思い付くのだろうが、オレがいまプレイヤーとして使っているのは携帯である。通常のプレイヤーとは端子が異なるのだから、当然トランスミッターなど接続できないと思っていた。しかし、ウオークマンにもiー Podにも、そして携帯にも対応するトランスミッターがあったのだ。しかも、シガーライターに直接差し込むタイプだから、電源の心配もないし、再生しながら携帯にも充電してくれると言う優れモノだ。 これで、ヘッドフォンをしながら運転をするなんて言うバカな真似をせずに、ドライブリスニングができると言うものだ。 ▼我が愛車、スカイラインHCR32のフルエアロタイプのプラモデルが存在することを知り、模型屋へと走った。 エアロなしのプラモデルは持っていたのだが、やはりちょっと物足りないし、自分の車がフルエアロであるのだから、やはり同じスタイルのものが欲しいと思うのは親心だ。 プラモデルコーナーを目を皿のようにして捜した。しかし、ありそうでない。 すでに絶版なのだろうか。 半ば諦め掛けていたが、スカイラインHCR32の箱を発見。しかし、残念ながらフルエアロではなかった。それでも、見ればフロントバンパーがエアロタイプのようだ。 今回はまあこれで良しとしよう。 今後は、オークションなどを、まめにチェックしようと思う。 だがしかし、実際、プラモデル買っても作らないんだけどな。 そんな箱がいっぱいあるよ。 それはすべて、所有欲である。 手に入れるだけで取りあえず満足なのだ。 そんなことってあるだろう、誰にでも。 20(土) 〔万博を懐かしむ〕 ▼愛知万博記念公園モリコロパークに行ってみた。約1年半振りである。 さぞかし変わっているのではと思ったが、それほど変わっていなかった。 そこそこ人も出ていたが、どうやら今日は祭りなのだった。閉幕記念祭りである。 3年前のこの頃、愛知万博は大盛況のまま幕を閉じたのだった。 思えばあの頃、暇さえあれば万博だった。覚えているだけで、13回は行っただろう。まったくもって、あの頃のオレは万博バカだった。 果たしてこの万博でオレは何を得たのだろうか。 列ぶことを覚えました。 それまでは、10分も列ぶなんてことは考えられなかったオレだが、これを機に、何時間列んでもへっちゃらのちゃらになってしまったじゃないか。 まったく驚くべき事である。 あれから3年。 例えば、人気商品を何時間も列んで買い求めるなどできるわけないじゃないかよ。 なんだったんだ、あのときのあの忍耐力は。 それもこれも万博である。 万博だからこそできる芸当だったのである。 19(金) 120 100 〔戒めを思い出し、誓う〕 ▼誰にでも、親からこれだけはやるなと言われてきた戒めがあるものだ。 女子社員S木は幼少の頃から常々親に口うるさく言われてきたことがあるのだと言う。 それを思い出すにつれ、自分への戒めとしてコブシをグッと握りしめるのだ。 それはいったいどんな戒めだと言うのだろう。 「死体に指を指すな」 いきなりきました。 ああ、確かにそうだろう。もっともな戒めだと思うよ。 だがしかし、普通いないだろ、そんな奴。 どういう場面でそんなことになるのか皆目分からないが、そもそも、生きてる人間に対してだって失礼なのではないか。 だってそうだろう。 もしオレが、横断歩道のど真ん中で仰向けになっていたとしよう。 もちろん死んじゃいない。ただ上を向いて寝ているだけだ。 ただそれだけなのに、道行く人は、オレに向かって指を指す。 こんな無礼なことがあって良いものだろうか。 いったいオレが何をしたって言うんだ。え、教えてくれよ、みんな。 指を指されても仕方ないよ、それ。 邪魔だし。 オレは誓う。 今後、けっして人から指を指されない人生を歩むことを誓います。 自信ないけど。 18(木) 60 100 〔たまには飲みたい〕 ▼オレに向かって「これは台風が来る前ぶれだ」などと失礼なことを言うのは女子社員S木だ。 なんのことはない。お茶の時間に、ただ珈琲を頼んだだけなのだ。 どうやらオレが暖かい飲み物を飲むとそう言うことになるらしい。 確かに、みんなが「寒い寒い」と言ってる最中に、「暑い」と訴えるオレは、少々感覚がずれているのかも知れない。だがしかし、暑いと感じる感覚と暖かい飲み物が飲みたいと思う感覚は違うと思うのだ。 オレだってたまにはクールに珈琲を飲みたいのである。 因みにオレの珈琲の配合は、砂糖3杯、クリープ2杯であることを付け加えておこう。 それの、どこがクールなんだよ。 17(水) 120 100 〔それぞれの人間観〕 ▼「さっき電話に出た人、ちょっと変わってなかった?」と、女子社員のS木に言うのは、T橋である。 どうやら、少々風変わりな客先らしい。 そんな客先に興味を示したS木はT橋にこう尋ねた。 「その人、おっちゃんなんですか?」 やけに大くくりな質問である。 それに対し、T橋はこう返答した。 「いや、どちらかと言うと、とっちゃんかな」 そうか、とっちゃんなのか。 ちょっと待て。 どう違うんだよ、おっちゃんと、とっちゃん。 是非とも、その違いを教えて欲しいものだ。 言った本人には確固たる違いがあるようだが、説明を聞いてもさっぱりわからないのだった。 人にはそれぞれ違った人間観があるものである。 16(火) 60 100 〔台風の前の長閑〕 ▼ずいぶん涼しくなったなあ、と思ったら、今日は一日事務所にいたのだった。 エアコンはキンキンである。 終日、見積作成に余念がなかったが、事務所内は実にのどかであった。 女子社員のI田が、「その契約番号、そらで言える?」などと言うものだから、その「そら」ってのは「空」なのか、ひらがななのか、カタカナなのか、そもそも、そんな言葉初めて聞いた、などと言う者までいる始末で、もしかしたら、名古屋弁なのではないかなどと、そんなどうでも良いことを延々と議論している、どんなのどかな会社なんだよ。 ▼そんなのどかさとは裏腹に、確実に日本列島へと向かっているのは台風13号なのだった。 あまりにもゆっくりなのでその存在を忘れかけていたが、一時はそのまま大陸の方へと行ってしまうのではないかと期待したものの、その後、ちょっとどうかと思うような右旋回をし、このままでは日本列島を縦断するのではないかと、なんとも不気味な動きを見せているのだった。 その台風の名は、「シンラコウ」 なになに? ミクロネシアの伝説上の神かあ、などと呑気に調べている場合ではない。 中国がオリンピックで雨雲をロケットで吹き飛ばしたように、誰か、なんとかしてくれないかなあ。 15(月) 120 100 〔マイナス思考はいけない〕 ▼何かしらやるせない一日。常にイライラが募っている状態である。精神的に何かおかしい。感情がコントロールできない状況になってしまっているのだ。それは思い通りにならない自分自身への葛藤とも言える。馬券も当たらないしな。 そんなしょうもないことかよ。 ともあれ3日間も休んでいるのが返って良くないことになっているのではないか。つい余計なことを考えてしまうのだ。これじゃ、英気を養うどころか、精気が消耗してしまうな。 それもこれも問題はマイナス思考である。何も、プラス思考ばかりで、ノー天気でいろと言うのではない。しかし、ノー天気くらいがちょうど良いときもある。要はいかに自分にとって不利益な感情を破棄するかと言うことである。いや、破棄するよりも再利用できれば尚良いだろう。いまは、リサイクル、リユースの時代だしな。 そのためには自分を客観視することも必要だ。せめて、表向きだけでも、自信に満ちていたい。形から入ることもひとつの手段である。それにしても… なんなんだよ、今日のこのネガティブな感じで一杯な空気は。 書いてる本人も息苦しいったらないぞ。 たまにはこんな気分になることはあるにしても、やはりまだまだ修行が足りない。 ▼夜、漫然と見ていたのは、ボクシング中継である。 4大タイトルマッチと称する3時間の長時間特番だが、タイトルマッチを4つ同時にやらなければ興行が成り立たないところに、ボクシング界の厳しい現状が垣間見える。 期待通りの結果を出してくれる選手がいないことも、人気が出ない要因とも言えるだろう。 なにしろ、相撲界と共に、ボクシング界にもニューヒーローが待たれる今日この頃なのである。 14(日) 〔歴史に浸かる〕 ▼と言うわけで、スガシカオの曲をエンドレスで聴きながら行った先は、奈良県なのだった。 奈良県と言えば鹿、そして、これでもかと言うくらいの歴史である。 軽く鹿達と戯れた後、天理の黒塚古墳へ足を向ける。 三角縁神獣鏡が数多く発掘された古墳だ。 そして次に見に行ったのは、談山神社である。 ここには、十三重の塔があるし、なんと言っても、大化改新の発祥の地と言うことなのだった。そう聞いただけで、なんだか歴史の重みをひしひしと感じるではないか。 そして、最後に行った先は法隆寺である。 いったい何年振りだろうな、ここに来たのは。高校の修学旅行以来である。 しかしながら、現地に来てもまったく記憶が蘇らない。それほど、何も考えてなかったんだろうな、あの頃は。 そんなわけで、歴史にどっぷり浸かった一日であった。 てっきり昨日だと思い込んでいた中秋の名月は今日なのだった 月に申し訳ないことをした気分である。 13(土) 〔気ままに走る〕 ▼3連休なのだった。 今日は大人しく過ごそうと、まずは車にガソリンを入れ、そして洗車。 いつの間にこんなに汚れていたのだろう。最近、雨が降らないからな。 綺麗さっぱりしたところで、近所の電機量販店へ。 確か、スガシカオのニューアルバムが出ていたはずだ。新曲の「コノユビトマレ」はこのアルバムに入っているのだろうか。 しっかり入っていたし、PVのDVDも付いていた。 こうなると、これを聴きながらドライブしたくなる。 そんなことを思いながら、おもむろに高速に乗り、中秋の名月を拝みながら、西へ向かって走っていたのだった。 12(金) 60 100 〔犬との関係〕 ▼先月、最近犬を飼い始めたと言うK田の話をしたが、その後、無事命名したとのこと。 K田希望のゴエモンは家族にあえなく却下されたようだが、結局、名前は何になったのかと聞けば、クー、と言う、どっかで聞いたことのあるような名前になっていたのだった。 クーは微妙に古いのではないか。いまなら、グーが適当だろう。 ともあれ、こうして無事、家族の一員となったわけだが、ここでひとつ問題が持ち上がった。それは、犬が家族に加わったことによる、K田の立場である。 当然、犬はペットである。したがって、家族に可愛がられるにせよ、ペットには違いない。当然、新参者であるし立場は一番下だろう。 だがしかし、K田の立場が危ういことになっていると言うのだ。 いったい何があったと言うんだ。 吠えられる。 帰宅し、玄関に入るなり、吠えられ捲る毎日だと言うのだ。 手を出そうものなら、噛みつかれかねないし、そばに寄れば、唸っている。これじゃ、まったく家族の一員と認められてないじゃないか。 つまり、いまやK田の立場は最下位と言うことになる。 いや、まだ何か手だてはあるはずだ。いま諦めればこの先おまえの立場はないぞ。 見れば、すっかり諦め顔だ。 くつろぎの場であるはずの家に帰っても肩身の狭いK田が、なんだか不憫でならないのだった。 11(木) 120 100 〔地震の噂〕 ▼北海道で地震があったとの一報を受けたのが、朝9時半のことであった。 ラジオによれば震源は十勝沖。震度は5。実家からはほど遠いが念のため電話してみた。 親父が出た。 「そっちはどうだった?けっこう揺れた?」とオレが聞くと、あ、その話か、と、そっけないほど普通にこう言った。 「さっき、近所の友達から電話があって知ったさ」 どうやら実家の庭は免震構造でできてるらしい。 それにしても名古屋には地震が来ない。 名古屋に住んでからというもの、地震らしい地震を経験したのは、せいぜい2〜3回程度なのではないか。それも震度にすればせいぜい2ほどの微々たる揺れである。 なにしろ地震はことごとく、名古屋を避けて発生しているのだ。 だからこそ危ないとも言えるのではないか。 ちょくちょく発生していれば、地震エネルギーは少しずつ放散され、巨大地震も来ないのだろうが、これだけ長期間来ないとなると、現在どれだけエネルギーが蓄積されているか分かったもんじゃない。 変な噂が広がっている。 13日、つまり明後日、この地方に大地震が来ると言うのだ。 笑ってしまうほどみんな知っている情報である。 中には具体的な震源地はおろか、時間まで知っている者までいる始末だ。 いったい誰に聞いたんだよ。 いくらなんでもそこまで予知はできないだろう。 予言だとすれば、それはあくまで予言であって、けっしてその情報に踊らされてはいけないのではないか。 だがしかし、いつ起きるか分からないことは確かなのだから、これを機に用心することは大事である。 かく言うオレは、まったく地震対策らしい対策をやっていないから呆れる。 強いて言えば、地震が起きたら寝床の部屋から出よ、だ。 タンスの引き出しが、顔面に飛んできたら痛いからな。 この様に、せめて気持ちの準備と覚悟だけはしておきたいものである。 10(水) 60 100 〔聞いても分からない〕 ▼CADについて質問してきたのは、CAD初心者のU田である。 CADとは何か。簡単に説明すると、パソコンで図面を書ける実に有り難いソフトのことである。 どうやら、U田はそのCADとやらに悪戦苦闘しているらしい。しかしながらパソコン関連の質問を電話でされることほど分からないことはない。 なにしろ、質問する本人も何を言ったら良いのか分からない状況だし、終いには、自分がいま、何が分からないのか分からないと言う、なんとも手の施しようのない事態になってしまうのである。 それでも、U田は必死である。 締め切りが間近に迫っていると見え、是が非でも図面を完成させねばならないと言うのだ。 「で、どうしたんだ?」 まず状況を把握しなければ始まらない。 U田はたどたどしく説明を始めた。 「客先から貰ったデータを開いて、はじっこにある図面をこっちに移動したら、きゅっ!となっちゃうんですよ」 どうやら、問題のポイントは、「きゅっ!」にあるようだ。だがしかし、なんなんだよ、それ。 オレはもう一度、説明を求めた。 U田は半ば困惑気味に再び説明を始めた。 「だからですね。ここの図面をこっちに持ってきたら、きゅっ!となっちゃうんですってば」 だから、なんだよその、「きゅっ!」ってのは。 聞いてるこっちも、気分が「きゅっ!」となっちゃうじゃないか。 ちょっぴり乙女チック気分と言う奴である。 なにしろ、何度聞いても、最後は「きゅっ!」だ。 ことごとく、問題は「きゅっ!」に凝縮されている。 よくよく聞いているうちに、ようやくその「きゅっ!」の意味が飲み込めた。 どうやらそれは縮小を意味しているようだ。 なんとなく分からないでもない。 「きゅっ!」と小さくなってしまうのである。 U田の思惑とは裏腹に、図面のある部分が縮小されてしまうと言うのだ。 その原因がまったく分からず手を焼いているのである。 オレは、dxfファイルにおける問題及び、レイヤーと縮尺との関連について、詳しく説明したが、U田から反応が返ってこない。 ご就寝なのか。 そう思うや否や、U田が堰を切ったようにこう言いだした。 「なんとかしてください」 さすがに電話ではどうにも手が施しようがない。 試練だと思って自分でどうにかしてくれ。 そう言ってオレは、「きゅっ!」と電話を切ったのだった。 9(火) 120 100 〔男らしい持ち方〕 ▼人はそれぞれ、他人には分からない意外なところで困っているものである。 女子社員のI田が常々困っていることがある。それは、地下鉄における傘だと言う。 道行く人の傘の持ち方に問題があると言うのだ。 とりわけ、腕の動きに合わせて傘も一緒に振るという動きは非常に迷惑なものがあり、I田はその傘が気になってしょうがないと言うのだ。 確かに当たると痛いだろうし、当たらないまでも、いつか当たるのではないかとヒヤヒヤしてしまうのだ。 横で聞いていたN美は、その点うちの旦那は安全だと言う。 聞くところによると、N美の旦那の傘の持ち方は、けっして周りの人々に苦痛を与えることはないと言う。しかしながらN美はそれが苦痛だと言うのだ。 いったいどんな持ち方だと言うんだ。 肘に掛ける。 つまり、肘を約90度に曲げ、その状態で傘を肘に掛けるのだ。 シルクハットを被ればなお効果的だろう。 いったい誰の真似だよ。 確かにこれなら他人に当てるようなことはないだろうし、雨の滴も撒き散らすことなく歩くことができるだろう。 だがしかし、N美はその格好が非常にイヤで堪らないのだ。 男らしさの点から言えば、確かに問題があるかも知れない。 だってそうだろう。 ハンドバックを肘に掛けるのは女性だし、買い物かごを肘に掛けるのも女性だ。 そう言えば、オレはいまだかつてアタッシュケースを肘に掛けた男を見たことがない。 ましてや、コンビニ袋を頭に被るなんてもってのほかだ。 誰もそんなこと言ってないよ。 それじゃ、安全かつ男らしく傘を持ち歩くにはどうしたら良いのか。 そこでオレは提案したい。 腰のベルトに差すのはどうだ。背中に背負うのも一考だろう。 ああ、なんて男らしいんだ。 確かに男らしいと言えば男らしいが、この際、忍者を気取ってもしょうがないじゃないか。 どうやら、必要以上に深く傘の持ち方を考えてはいけないようだ。 8(月) 60 100 〔テレビの選択〕 ▼I瀬がテレビを買ったという。 SONYのブラビアと言うから、液晶画面のいかした奴だ。 サイズは40インチ。家庭で見るには十分な大きさと言えるだろう。 購入先はネット通販だと言う。 このネット通販と言う世界、なにしろ価格の変動が激しい。 したがって、常に価格のチェックは欠かさなかったらしく、下落した瞬間、すかさず買いの注文を出したと言う。 まるで株価のようじゃないか。 案の定、明くる日には4万から5万値上がりしたと言うから、その判断は正解だったと言えるだろう。 かくして、I瀬家のテレビは晴れてブラウン管から液晶に様変わりしたわけだが、オレの自宅はいまだにブラウン管だよ。 巷では、テレビは液晶かプラズマか、と言うような議論がされているようだが、はっきり言おう。テレビはブラウン管が一番だ。 だってそうだろう。 まず、スポーツの様な早い動きにおける残像などないし、あの威風堂々とした重量感は何か安心感を感じずにはいられない。そして何と言っても特筆すべきは、テレビの上に物が置けると言うことだ。 花を置くのもいいだろう。ぬいぐるみを置いてもいい。金魚鉢だって置ける。いっそ、ちょっと小粋に自分を置いてもいいんじゃないか。 どうやってテレビ見るんだよ。 ともあれ、こんなことは液晶やプラズマテレビにはできない芸当である。 だからこそブラウン管だ。 自信満々に言い切ってなんだが、うちのブラウン管は壊れてます。 スイッチを入れて画面が現れるまで、10数分掛かる有り様だ。 これじゃまるで真空管テレビだよ。 知らないよ、そんなテレビ。 何しろ、画面が写るまで時間は掛かるし、写ったところで画面の上から3分の1ほどが、筋が入ってイヤな感じになってるし、音なんか突然、ブ〜ン、と鳴ったりして、あまり気分の良いものではない。 つまり、「早く買い換えろよ、あんた」、と言われ兼ねない代物なのである。 実のところ、「ブラウン管が一番」などと強がっている場合ではないのだった。 7(日) 〔気まぐれ天気〕 ▼休日出勤で岐阜方面へ行った。 外は暑い、かなり暑い。風もない。つまり無風である。当たり前だ。 体感的に35度近くはあるのではないか。 これじゃ夏真っ盛りに逆戻りである。 仕事が終わり、夕方高速を走っていると、前方で稲光が数回発生。その幾つかが建物の避雷針に落ちるのを見た。それからまもなく、辺りは一種異様な雰囲気を醸し出し始めた。 オレはいま追い越し車線を走っている。 ふと反対側の車線を見ると、どういうわけか路面が濡れているではないか。そして走る車を見れば、大粒の雨がボディを叩き付けているのだ。 しかし、オレが走っている車線はきっぱりと晴れているし、太陽は燦々と照りつけている有り様だ。つまり、右と左で雨と晴れがくっきりと別れているのである。 なんだこの、2倍楽しめるハーフアンドハーフ的な天候は。 なんだか楽しい気分になるじゃないか。 上空を見ると、まさにピンポイントで雲が浮遊している。 カーブに差し掛かると、まもなくオレの車にもここぞとばかりどしゃ降りの雨が降ってきた。楽しんでいる場合ではない。前方が視界不良になるほどの雨だ。 しかし、それもわずか5分ほどのことであった。 嘘のように天気は回復し、再び、真夏を思わせる過酷な暑さに戻ったのだった。 ここまで天気が気まぐれだと、オレも気まぐれな気分になるから不思議だ。 勝手になっとけ、って話である。 6(土) 〔今年最後の花火観賞〕 ▼今年最後になるであろう花火を見に行った。 場所は諏訪湖である。 昨年も来たのだが、開始直前から降り出した雨で大変だったことを思い出す。 果たして今年は大丈夫だろうか。 今のところ天気はすこぶる良い。 だが安心はできない。確か来ているはずだ。遊びに行くところ行くところ、ことごとく雨に見舞われると言う、驚異の雨女E美が。 メールしてみた。 こっちは天気良いですよ、と返事が来たが、それは分かっている。オレも来ているからだ。 西の彼方にある雲が見えるだろ、あれがくせ者だ。頼むから導き寄せないでくれ、とオレは懇願した。 19時、無事、天候は晴れのまま花火は始まった。 滞りなくプログラムは進行し、やがて花火も終盤、さあこれからクライマックスだ。 そう思ったのも束の間、何か冷たいものが頬をつたったと思うや否や、あっと言う間に天候は替わり、単刀直入に言わせて貰えば、どしゃ降りだ。 最後の最後にやっちゃいました。 そう言うE美に、ああそうだね、お見それしましたと言うしかないじゃないか。 恐るべし、雨女E美。 ここにも、けっして期待はしたくないが期待を裏切らない女がいたのだった。 5(金) 120 100 〔秋を感じる〕 ▼不思議なことに今年はまだ台風が来ていないのだった。 それはそれで喜ばしい限りだが、その替わりなんとも不安定な天候が続いている。 パシッと晴れた一日と言うのがこのところないのだ。 オレは相変わらず、パシッとしてないけどな。 それが秋の訪れだとも言えなくもないが、それ以上に秋の訪れを感じるものが他にある。オレの場合、これだ。 おでん。 これ以上に秋の訪れを感じるものがあるだろうか。 先週あたりからコンビニにお目見えし始め、とりわけオレはおでんが大好きなことから、ここぞとばかり1日置きに食ってるよ。 オレはおでんバカか。 さらにいま、お試し期間らしく、1個70円ときてるから、これはもうお得と言うしかないだろう。なにしろ腹一杯食っても4〜500円だよ。こんなにコストパフォーマンスに長けた食べ物はないのではないか。 いきなりで申し訳ないが、オレの筋肉はおでんで出来ている。 おでん筋ってのは、なんかイヤだなあ。 こうしてオレは、秋から冬へと、おでん頼みで生きてゆくのだ。 4(木) 60 100 〔天然は裏切らない〕 ▼当社への訪問者が菓子折を持ってきた。 女子社員のI田が受け取るなりさっそく開け始めている。 落ち着けよ。 よほど良いものが入っていたのだろう。中身を見ると「わーい」とやけに喜んでいる。 何がそんなに嬉しいんだ。 「だって、鳩サブレだよ」とI田はそれが当然であるかの様に言うが、知らないよ、そんなサブレ。 一見見たところ、何の変哲もない鳩の形をしたサブレだが、I田に言わせれば、これ以上のサブレはないらしい。 つまり、キング オブ サブレだ。 さっそくみんなにその味を確かめてもらおうとI田は人数を数え、一人2枚ずつ配り始めた。 すると何かI田の様子がおかしい。明らかにおかしい。 まるで、ハトがハトサブレを食ったような顔だ。 どんな顔だよ。 どうやら問題発生の様だ。 最後の一枚を配り終わったとき、その問題がなんであるか判明した。 足りないよ、足りない。 肝心のI田の分がなかったのである。 つまり、人数を数える際、自分を数えていなかったのだ。 まったく良くある笑い話だが、それをまんまとやってしまうところに、I田の真骨頂がある。 期待を裏切らない天然もの、それがI田の確固たる資質なのだ。 3(水) 120 100 〔妙なハガキが届く〕 ▼会社に妙なハガキが届いた。 国土交通省からだ。 宛先はオレの社有車である。 オレ、なんかやったっけ? 一瞬イヤな予感がしたが、見ると、「自動車輸送統計調査ご協力のお願い」と記してある。 びっくりさせやがって、国土交通省のやつ。 内容を読むとこう書いてある。 「貴方様が使用されている自動車が選定されましたので、当該調査をお願いすることになりました。」 どういう了見でオレの車が選択されたのかは知らないが、これじゃ、あんなことやこんなことができないじゃないか。 まあ、普通に走ってれば良いわけだけど。 そもそもいったいどうやって調査すると言うのだろう。 もしかして、あのNシステムと言う奴か。 Nシステムとは道路の上に配備されている、車のナンバーを自動で読みとる何とも姑息な奴だ。 このシステムが車に付いているうちはいいが、もしこれが人間に付くようなことになれば、それこそ大変なことなのではないか。 すべて行動を監視されてしまうのである。 これじゃ、あんなことやこんなことができないじゃないか。 いったい、何をやってるんだよ、毎日。 ともあれ、どんなに便利でシステマティックな世の中になったとしても、最低限のプライバシーは確保して欲しいものである。 ところで、何の目的で何の調査をするんだっけ。 ハガキを読んでも皆目分からないのだった。 2(火) 120 100 〔番組の途中ですが〕 ▼ビデオの留守録予約をセットした番組を、帰宅後真剣に見ているときに、こんなことがあると非常に困惑するものである。 急に画面が変わったかと思うと、スーツを着た男が真正面を向いてお辞儀をする。そして急にこんなことを言い出すのだ。 「番組の途中ですが、ニュースをお伝え致します」 おまえは誰だ。 どうやらその風貌背格好からしてアナウンサーの様だ。 背はこの際関係ないだろ。 なにしろそのアナウンサーは真剣な眼差しだ。 その醸し出す雰囲気から、何か重大なことを言おうとしていることをオレは即座に感じ取った。 分かったよ、分かった。お伝えしたいことがあるのはよ〜く分かった。しかし、いったい何の権利があって番組を変更するんだ。 そもそも見たくもないニュースをなぜ見なくてはならないのか。 これはほとんど強制ではないか。 第一、いま撮った番組をどうしてくれるんだ。 これもまた記念だと言って、数年後見る度に同じ場面で、「番組の途中ですが…」を見なければならないのか。 これがもし北京オリンピックだとしたらどうするのか。 平泳ぎ100メートルの場面だ。注目は日本期待の北島康介。 折り返しで北島康介が先頭に出た。このまま行けば金メダルだ。もしかすると、世界記録をこの目で見ることになるかも知れない。さあ、あと20メートル…30メートル…10メートル…「番組の途中ですが…」ってことはないじゃないか。 暴動は間違いないだろう。 少なくともオレは暴れる。 手と足をバタバタさせてな。 おまえはいくつだ。 ともあれ、頼むから、ゴールデンタイムの重大発表はやめてくれ。 1(月) 60 100 〔ペットショップの誘惑〕 ▼見掛けるとつい入ってしまうものにペットショップがある。 昨日、たまたま通り掛かったペットショップに入った。 女性店員が何かぼそぼそと呟いている。 どうやら手に何か持っているようだ。良く見るとそれはごそごそと動いており、その動くものに向かって店員は話し掛けていることから、独り言でないことは確かだ。 いったい何に向かって話しているのだろう。 見たところそれは鳥のようであり、その鮮やかな毛色と愛嬌のある風貌から、インコであることがわかった。 このインコにオレは目を奪われた。 女性店員の手にまとわり付き、なんとも言えない無防備な格好でじゃれているのである。これほど慣れ慣れの鳥をオレは見たことがない。 聞いたところ、このインコの名は、ズグロシロハラインコと言うらしい。 その名の通り、頭は黒く、腹は白い。生後は約5ヶ月であると言う。 それにしても愛嬌のあるインコである。 思わず衝動買いしそうになってしまったが、値段を見て一気にその気は消え失せた。 24万4千8百円。 犬やネコにまったく引けを取らないその価格に、お見それしましたと言うしかないじゃないか。 さらに驚くべきはその寿命である。 20年から、ややもすると30年生きると言うから、へたすると、インコに看取られちゃうな、こりゃ。 そう考えると、あながちその価格は高いとも言えないと思うが、ともあれ、それだけ長い期間の責任感を考えると、気が遠くなるのだった。 byクムラ〜 |