千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とする。
体力維持か、単なる意地か、長年続けている腕立て伏せ。
ややもすると怠け気味になってくる今日この頃。
自分自身への叱咤も含め、ここに記す。
/31:バーコード /30:曙に呆れる /29:オオクワガタカップル /28:また駐車場 /27:尽きない山 /26:倒れた連絡 /25:天気に文句を言う /24:てるてるぼうず /23:東京へ /22:錯覚 /21:動物病院の苦労 /20:語るを聞く /19:国際規格虫網 /18:忘れる生き物 /17:大クワガタの産卵 /16:金沢へ /15:神棚は /14:過酷な箱詰め /13:事務所の移動 /12:にらめっこ /11:余裕のなさ /10:納豆の日である /9:名古屋場所へ /8:スタバ用語 /7:去るもの /6:円錐 /5:飛んできたらしい /4:開かない /3:記憶の底の言葉 /2:床屋へ /1:K−1、そして玉/
<2006年 7月> ◆腕立伏◆スクワ◆背筋◆腹筋 ◇時間 31(月) 【00:00】 〔バーコード〕 ▼週始めから多忙を極め、あっと言う間に一日が終わった。 ▼帰路、いつもの様にコンビニに寄る。 もうすでに23時を過ぎており、したがって立ち読みなどしている暇などない。 さっさと目的の物を手に取り、レジへ持って行く。 普通ならば、ものの数十秒で精算は終わるはずだ。しかし、思いも掛けないところに落とし穴はあった。 なにやら、コンビニの女性店員がもたもたしている。 見ると、バーコードがなかなか感知しないようであり、何度も商品にリーダーを擦り付けていた。まあ、そろそろ諦めるだろうと思いきや、なかなか諦めず、商品であるアイスキャンデーはすでに商品ではなくなりつつあった。 それにしても、真剣である。まるで取り憑かれたようにバーコードに取り組む彼女。 何が彼女をそこまでさせるのか。 それは、バーコードへのこだわりだろうか。 彼女にとって、バーコードがすべてだったのである。 やっと手の動きが止まり、息をフーッと吐き、彼女はオレに向かって言った。 「これどこにありました?」 客に商品のありかを聞く奴があるか。 そう言いたかったが、相手は女の子である。オレは親切に、その場所へと案内した。 そして、めでたく、バーコードリーダーは認識したのだった。 30(日) 120 100 【22:00】 〔曙に呆れる〕 ▼愛車スカGにガソリンを入れる。リッターハイオク150円も時間の問題と思っていたが、現在リッター141円。少し下がってきたのではないか。 このまま保ってくれれば幸いであるが、これからが正念場だろう。 こうなると、ハイオク仕様のスカGが少々恨めしくもある。 100円そこそこだった頃が遠い昔のようである。 ▼性懲りもなく、また曙である。 今夜のK−1に出場したわけだが、まったくその意図が分からない。なにしろ、チェホンマンが可哀想になるくらい弱いのである。だれがどうみたって曙に勝つ要素は皆無だろう。 進化しているホンマンに対し、曙はすでに退化し始めているのだ。 今回の大会で唯一、KOが見られたのは、この試合のみであり、それがせめてもの救いだったと言えよう。 なんだか、盛り下がったなあ、K−1も。 29(土) 60 100【24:00】 〔オオクワガタカップル〕 ▼ついにこの日がやってきた。 と言えば、これしかないだろう。 こうじとさやかの同居。 誰なんだ、この二人は。 この、こうじとさやかはマジンガーカップルではないし、マジンバカカップルでもない。 一度、見てみたいぞ、マジンバカカップル。 そのカップルとは我が家にいる、オオクワガタカップルである。 これまで別居生活が続いていたわけだが、ついに、同居へと決心してくれたのである。 それは、産卵への道である。 水に浸しておいた朽ち木を昆虫マットの中に埋め、登り木をセット。いよいよ二匹のご対面である。 まず、こうじを中へ入れる。初めての環境に、しばし固まったままである。 そして、さやかを入れた。異性を目の当たりにするのは生まれて初めてのことだろう。 二匹はジッとしたまま動かない。どうやら二匹ともかなりシャイである。 しばらく、そのままの状態が続いたが、ハッと何かを思い出したように、二匹は猛烈に動き出した。 そして、二匹はあっと言う間に、地中奥深くへと沈んでいったのだった。 まあ、焦ってもしょうがない。あとは、本能に期待し、頑張ってもらうだけだ。 ![]() ![]() ▼ニンテンドウDSを購入。すぐに飽きてしまうのは目に見えているが、つい買ってしまうのである。 さっそく、脳年齢をはじき出すと言うのをやってみた。 結果が出た。 「あなたの脳年齢は、20才です」 やけに若作りなんだな。 さらに次のコメントはこうだ。 「まさにムキムキな脳味噌ですね」 そうか、オレの脳には筋肉が付いていたのか。 なにしろ、いきなりな好成績にしばしご機嫌なオレだったが、もうすでに飽きている。 28(金) 【24:30】 〔また駐車場〕 ▼今日も暑かったし、めっぽう忙しかった。 23時近く、やっと仕事も一段落付き、さあ、帰ろうと、意気込んで立体駐車場へ。 扉の前には5人程の人だかりができていた。こんな夜更けにやけに混んでいると思いきや、その中の一人がオレに向かって言った。 「開かないんですよ」 「またかよ」 少し前に、オレは開かずの扉の刑を受けたばかりなのである。しかもその時もど夜中であった。そして今夜、再びである。 いったいオレが何をしたと言うんだ。まったく、どうかしてるぜ、この駐車場は。 係員が来るまで、まだ少し時間が掛かりそうである。このままボケずらしててもしょうがない。オレは再び会社に戻った。そして、運良く「ご自由にお食べください」と書かれたせんべいを見つけ、オレはそれをかじりながら飢えを凌ぎ、一人寂しくこの日記を書いている次第である。 27(木) 120 100 【24:00】 〔尽きない山〕 ▼あっと言う間に炎天下の昼間は過ぎ去り、気が付けば外は暗闇である。 それから事務所に戻り、もうひと仕事なのだ。 それは、いつ尽きるとも知らない仕事の山。果たして、その山をいったいどうしてくれようか。 「山はそこにあるから登るのだ」と、ある人はよく言ったものだが、この場合の山とは少々趣が違うし、じゃあ、その山から滑って見ようじゃないか、と言ってはみたものの、いったいオレは何が言いたいんだ、まったく。 とにかく、少しずつ、その山を崩して行くしかないのだ。 飯にありついたのは0時過ぎだった。 とにかく、どうにかしてくれよ、この汗。 26(水) 60 100【23:30】 〔倒れた連絡〕 ▼引き続き今日ももの凄い暑さである。これはどうやら梅雨明けじゃないのか。 とても雨が降るとは思えないのである。 こんな状況の中、知人が倒れたと言う連絡が携帯に入った。 この炎天下、屋外での作業中だったと言うから、それももっともな話だろう。 だがしかし、オレはそれほど心配する気分になれなかった。 なぜならば… 自ら電話してくるやつがあるかよ。しかも、倒れた直後である。 当の本人の、その声を聞いてひとまず安心したのだった。 夜、いきなりの大雨。完全に舐められている。 25(火) 150 100 【23:30】 〔天気に文句を言う〕 ▼久しぶりに晴れ上がったのはいいが、なんだろうな、今日のこの暑さは。 暑さに加えて、この蒸し蒸し感は、とても無視などできないほど、むしっとした、むっとり感である。 なんだ、むっとり感って… かなり無理矢理である。 なにしろ、雨が降れば降ったで文句を言い、晴れれば晴れたで文句を言う。 そんな都合の良い話があるか。 そもそもちょうど良い天候など年間を通じてどれくらいあると言うんだ。 ちょうど良い天候を考えても見よ。 春はどうだ。春は春で花粉が飛んでいるし、だったら秋はどうだと、期待を寄せるものの、毎週の様に台風が矛先を向けており、とてもちょうど良い天候などとは言えないのではないか。 そうは言うものの、やはり文句は言いたい。とすれば、敢えて文句を言うとすれば、やはり相手は天候である。 そりゃそうだろう。 いきなり、よたよたと道を歩くお爺さんに向かって指を差し、「天気が悪い!」と文句を言ったところで、なんの解決にもならないだろうし、そもそも相手が相手だけに見向きもしてくれないのではないか。 かと言って、天気と関わりがありそうだと言うことで、カエルに向かって文句を言ったところで、おしっこを引っかけられるのがおちであり、そもそもそれが、どれほどの効果があると言うんだ、まったく。 やはり、暑いときには「暑い」、寒いときには「寒い」、痒いときには「かゆい」と 実直に表現することが、精神衛生上、人間には必要なのだ。 やせ我慢ほど、身体に毒なことはないのである。 こんなオレだが、我慢が好きです。 また長々とどうでもいいことを書いてしまった。 24(月) 60 100【23:00】 〔てるてるぼうず〕 ▼ちょっとどうかと思うくらい、雨だ。 こんなとき、かつて家々ではこの様な対処をしたのではなかったか。 「てるてるぼうず」をぶら下げる。 しかし、その風景はすっかり衰退し、いまでは見掛けることはまずない。 いったい何がいけないのだ。すっかり免疫となってしまい、効力がなくなったとしか思えないのではないか。 だったら新しい、「てるてるぼうず」だろう。 新生てるてるぼうずだ。 そもそも、ぼうずはいけないのではないか。いまではちょっと見ただけでは分からないくらいカツラは進歩しているし、ヘヤーコンタクトなるものまであるくらいだ。 なんだ、そのヘヤーコンタクトってやつは。 腕に毛を張り付け、さらに引っ張るのはやめたまえ。 そんなことはどうでもいい。 少々値が張るかも知れないが、そんなことを言ってる場合ではないのだ。 それは、髪の毛がふさふさな「てるてるぼうず」である。 果たしてそれが、「てるてるぼうず」と言えるのか。 強いて言えば、「ふさふさぼうや」なのではないか。 そもそも、ぼうずだからこそ、てるてるであり、効力があるのではないか。 「ふさふさぼうや」じゃ、いったいそれが何を意味しているのかさえも分からず、それを見た人々はこう言うのだろう。 「おまえはだれだ」 これではいけない。 だからと言って、こんなものをぶら下げるのは如何なものか。 「キューピーくん」 ぶら下げちゃったか。 しかも、「くん」付けだし。 確かにぶら下げたくなる気持ちも分からなくはない。 しかし、それはキューピーだ。 ぶら下げたり、吊したりしたら、こうなることは目に見えているだろう。 キューっ、となって、ピーっ。 あぁ、なんて苦しそうなんだ。 これほどの悲鳴はここ最近お目に掛かったことはないのではないか。 やはり、「てるてるぼうず」だろう。 ここは、「てるてるぼうず」にお任せするしかないのだ。 23(日) 120 【23:00】 〔東京へ〕 ▼朝っぱらからの新幹線に乗り、東京へ。 六本木にある本社で会議なのである。 昨晩、なぜか目が冴えて眠れなかったため、今日はさっぱり頭が冴えなかった。 遠足の前の日かよ。 しかし、遠足とはほど遠い気分である。それもそのはず、おやつもないし、水筒もない。あるのは憂鬱と言う名の書類の束である。 それでもなんとか一睡もせず会議を全うすることに成功した。 成功とか言う問題なのか。 無事終了し、ホッとした足で久々に集まった8人、ぞろぞろとロアビルの居酒屋へ向かった。開店まであと10分あったが、ごねて無理矢理入れてもらう。 積もった近況報告に花が咲く。 同じ部門の集まりであるため、悩みは共通である。 それにしても、集まるたび、皆やつれているのではないか。このまま会社のために朽ち果ててしまいそうな勢いである。 大学の先輩でもあるFさんも然り、かなりくたびれてしまっている。 そのFさんは、いつも帰りのタクシーを奢ってくれる。いつまで経っても後輩なのだ、オレは。 そんなくたびれた面々を見、改めて決心した。 せめてオレは腕立てをやろう。朽ち果てるまで腕立てだ。 なにがオレをそうさせる。 名古屋へ戻ったら、大雨だった。 22(土) 60 100【23:00】 〔錯覚〕 ▼薬局でコントレックス、大須アメ横でDVDのメディア、書店で文庫本など、あれこれこまごました消耗品の買い出しに回る一日だった。 今週唯一の休日が今日であり、明日は日曜であるが会議のため東京出張だからである。 そんなこともあり、ふと気が付くと今日が日曜であると錯覚してしまっている。 帰宅して、迂闊にもジャンクスポーツを見ようとしてしまったり、その不甲斐なさにいつの間にかふて寝し、2時間ほどして慌てて起きて、サンデースポーツが始まるのをひとしきり待ったりもした。 何をやってるんだ、オレは。 そもそも朝青龍が今日優勝しているんだよ。いかにも日曜っぽいではないか。 そうでも思わなきゃ、日曜に仕事なんかやってられないのである。 21(金) 【00:00】 〔動物病院の苦労〕 ▼動物病院の先生と話す機会があった。 ご多分に漏れずやはり苦労は絶えないようで、特に大変なのはその患者の多種多様さにあると言う。 犬やネコはごく当たり前であるが、その他にも様々な訪問者がおり、まあ、ハムスターやウサギはまだしも、中にはなかなかお目に掛かれないものもいて、とりわけ困ったのは、これだと言う。 「カンガルー」 よくよく聞くと、どうやらワラビーのようだが、それでも姿形はミニチュアカンガルーであり、なにしろいったん跳び始めたらもう手が付けられない。 本人はほんのちょっとのつもりでジャンプすれば、たちまち天井を突き抜けるだろうし、だからと言って、「伏せ!」と言ったところで、犬ではないので聞いてくれるかどうか分からない。 そもそもなんだ、そのお腹の辺りに付いたポケットの様な物は。 そんなもの見せられたら、こう言うしかないだろう。 「どこでもドアーを出しておくれ」 それほど、特殊な動物なのだ。 この様に、いくら動物病院と言えども、ダメな動物はダメなのである。 だったら、動物病院と言う名称は過大広告ではないかと言われそうであるが、だからと言って、にゃんにゃん病院では、なぜかしら怪しい雰囲気が漂ってしまい、これではちっともお客さんなど来ないのではないか。 なんだかんだ言って、これも人気商売なのである。 動物病院の運営もなかなか大変そうである。 20(木) 120 100 【00:00】 〔語るを聞く〕 ▼いつまで降り続くんだろうな、この雨。 雨が多いことで有名だからなのかどうか知らないが、ちょっととぼけた業者のS氏がいきなり語り始めたのは、新潟での想い出である。 「新潟の米を食ったら、他の米は食えないよ」 まあ、確かに水が旨いと言われる新潟の米と日本酒は有名であり、もっともな話であると言えよう。 さらに、S氏の話は続く。 「でも、洗濯物は乾かないよ」 「でも」って…いったい、何の「でも」だよ、それ。 確かに湿気が多くてなかなか乾かないのだろうが、米となんの関係もないじゃないか。 S氏の想い出話はさらに拍車が掛かる。 「一度、洪水になったときがあってさぁ、水が引いたときに家の中を見たら、部屋中カニだらけだったよ。しかも小さいのばっかし。しょうがないから、唐揚げにして食ったよ。そしたらもう旨いのなんのって。あれ食ったら、普通のカニなんか食えないね」 何がしょうがなくて、そんな状況でカニを食う気分になったのかは知らない。そもそも知りたい気も起きないが、オレはひとこと言いたい。 いったいどこに論点の趣旨をもって聞いたらいいんだよ、あんたの話。 19(水) 60 100【23:30】 〔国際規格虫網〕 ▼東京から出張で来ているIは、昆虫マニアである。 車には常に昆虫採集グッズが積まれており、いつ如何なるときでも採集できる体勢を整えているのだ。 実は、オオクワガタのこうじとさやかはIから貰ったものである。 先日、Iが出先で数人と打合せをしていたとき、突然、目の前をかすめていったのは、オニヤンマであったと言う。 念のため言っておくが、オニバンバではない。 オニバンバはそれほどスピーディではないし、そこら辺を飛んでいるオニバンバは、なんだかイヤだなあ。 それは、ここ最近めっきり見掛けなくなったトンボ、オニヤンマである。 とたんに昆虫マニアIの目の色が変わった。 さっそく車のトランクから取り出したのは虫網である。しかし、ただの虫網ではない。国際規格の虫網だと言うではないか。 柄は伸び縮みするし、その網の目の細かさと言ったら、ノミをも逃さないのではないかと思われるほどであり、特筆すべきはその軽さである。何十回、何百回振り回そうと疲れないのではないだろうか。そんな国際規格の虫網に掛かれば、いくらオニヤンマと言えどもひとたまりもないだろう。 Iはオニヤンマを追いかけた。その眼光は、まるで獲物を狙うワシのようだ。 廻りの人間もその光景を息を飲んで見守った。 だがしかし、期待に反して、オニヤンマはなかなか捕まらない。それでも諦めず追い掛け続け、自慢の国際規格虫網を振り回すI。しかし、ことごとくオニヤンマに翻弄される。まるで、あざ笑うかの様に、Iの国際規格虫網をひらりひらりとかわすのだ。 国際規格の虫網を持ってしても掴まらないのか。さすがオニヤンマだけのことはある。 いったいどれだけ追い掛けただろう。 さすがに疲れ果て、肩で息をするI。 そのときである。 「これかい?」 一緒にいたBが手に持っていたのはまさしく、そのトンボ、即ちオニヤンマである。 「どうしたんだ、それ?」 驚きの表情で尋ねるIを尻目に何事もなくBは言った。 「そこに止まったから、掴まえたよぉ」 掴まえたよぉ、って、おまえ… 簡単に言えば、つまり手づかみである。 その後のIの落胆のほどは想像に堅くないだろう。 国際規格は、単に規格でしかなかったのだ。 目指すはやはり、規格外なのである。 18(火) 150 100 【23:30】 〔忘れる生き物〕 ▼人間とは、忘れる生き物であると良く言うが、客先からの問い合わせ内容をすっかり忘れてしまい、困り果てているのはKだ。 先週、Kの携帯電話が鳴った。てっきりイヤな客先からだと思ったが電話に出ると、そのイヤな客先からではなかったと言うその安堵感から、Kはすっかり気が抜けてしまい、話の内容が見事に頭からすっ飛んでしまったようで、更に弱ったことに、問い合わせがあったこと事態忘れており、ようやく3日振りに思い出したものの、まったくその内容が思い出せない。 問題は、すでに3日もたっていることだ。 Kは電話をし、先方にこう言うだろう。 「あのぉ、例の件なんですが…」 先方は、その件についての返答があるものと期待するのだろう。 しかしながら、Kは、こう言うしかないのだ。 「何でしたっけ?」 とぼけているじゃないか。 こんな間抜けな話もないだろうし、ややもすれば客は怒り出すのではないか。 なにしろ、3日間ほったらかしだからだ。 したがって、けっしてもう一度客先に聞くわけにはいかないだろう。 いったいどうしたらいいんだ。 Kは悩んだ。 そうだ。別の人間を装って問い合わせよう。 そこでKはこう言うのだろう。 「あのぉ、Kが風邪で休んでいまして、例の件なんですが…何でしたっけ?」 一向に解決になっていないのではないか。 だって、そうだろう。いくら風邪とは言え、用件も伝えられないほどのことでもあるまい。 そもそも、バレバレだよ、そのにやけた口調は。 17(月) 60 100【23:00】 〔大クワガタの産卵〕 ▼いよいよ大クワガタのこうじとさやかのペアリングが迫っている。 迫っていると言っても、普段、別々の二匹をただ一緒にするだけだけど。 さっそくホームセンターへ行き、産卵用の朽ち木とケースを買ってきた。 売場に「クワガタ虫の豆知識」なる小冊子が置いてあったので貰ってきた。これが、なかなか簡単明瞭に書かれており非常に参考になる。 産卵の欄を見る。 「産卵を目的とする場合は朽ち木を3時間ほど水に浸しケースの下に敷き詰め、その上に昆虫マット(くぬぎマット)を埋め込む」とある。そして、「メスはキバで朽ち木を傷つけ、その中に産卵する」と言うのだ。なんとも説得力のある説明である。 時期的には7月後半から9月始めだ。卵はその数、15〜20ヶだと言う。 このとき、注意すべきこととしてこう記されている。 「汚れた昆虫マットは月に1〜2度全部取り替えます」 なるほど、面倒だが、汚れたら取り替えねばなるまい。 さらに説明は続くが、次の注意は特に重要だ。 「この時、朽ち木は交換しないこと」 確かに朽ち木も一緒に交換したくなるところだろうが、ちょっと待て、当たり前じゃないか。 なんのための朽ち木だと思っているんだ。せっかく産卵した朽ち木だよ、それを交換してしまってどうするんだよ。 それじゃ、いつまで待っても生まれてこないよ。 人間いつ如何なる時も、うっかり君となる可能性を秘めていると言えよう。 朽ち木に産卵し、これで一安心と思いきや、それで良いというわけでないらしい。 その小冊子にはこうある。 「埋めて置いた朽ち木を、10月〜11月頃取り出して静かに割ります」 オレが割らなきゃならないのか、朽ち木を。 果たして割ったその朽ち木の中はどうなっていると言うのか。 その小冊子には驚くべきことが記載されていた。 「必ずと言っていいほど幼虫がいます」 必ずいるのか、幼虫は。 きっぱり断言しているのだ。たいした自身と言えよう。 それだけにこれはかなり期待できるし、大クワガタ初心者に取って大きな自身となるだろう。 いったい、何匹の大クワガタが誕生してくれるだろうか。 なかなか手間は掛かりそうだが、それだけに楽しみでもある。 16(日) 【ーー:ーー】 〔金沢へ〕 ▼あるお祝い会出席のため、金沢へ。 名古屋を出るときには天気は良かったが、高速の福井近辺を通った辺りから次第に天候が怪しくなり、まもなく豪雨となった。ほとんど視界もおぼつかないほどである。 それでもなんとか金沢に到着。 それにしても、北陸は涼しい。気温は22度だ。 イベントも終わり、金沢を出たのは夜中の0時半。 高速運転中どうしても睡魔には勝てず、途中のPAで仮眠を取る。 目が覚めると、すでに空が白み始めていた。 名古屋に到着した頃には、すっかり朝だった。 15(土) 120 100 【23:00】 〔神棚は〕 ▼朝から事務所の引っ越しである。 滞りなく荷物の運搬も進み、懸念されたネット接続は不思議なほどあっけなく繋がった。 しかし、問題が一つ残った。 神棚を付ける場所がない。 通常、神棚は南側に向けて付けよ、と言われるが、その南側の壁はほとんど棚で埋め尽くされており、唯一残された場所は支店長の席の真横であったが、邪魔とは思いつつも半ば強引に取付を強行しようとしたものの、その壁は強度的にかなり問題があるらしく、神棚が落ちてきて、災難に遭うのは、何とも釈然としない気分になってしまうと思われるため、泣く泣くこの場所は諦めた。 結局、神棚定位置の第二候補である、東側向きの場所を検討した結果、めでたく、女子社員Sの真後ろに決定し、有無を言わさず取り付けた。 御加護があることを祈る覚悟だ。 微妙な洒落である。 これじゃ、オレには絶対ないな、御加護。 14(金) 60 100【24:00】 〔過酷な箱詰め〕 ▼昨晩の寝苦しさと言ったらなかった。 まるで熱帯のジャングルの中で寝ているかの様に寝汗でびっしょりだった。 日中は日中で、なんだこの異様な暑さは。 黙っていても止めどもなく汗が流れ落ちる。 そんな中、出先から戻るなり事務所の箱詰めだ。 明日は事務所の引っ越しなのだ。 みな黙々と準備に動き回るが、これがなかなか大変であり、時間がたつに連れ、思考能力も少々どうかし始めるものが出てくる。 女子社員のSがいきなり騒ぎ始めた。 「朱肉がなくなっちゃった…、私の朱肉がなくなっちゃった…」 まあ、たぶんどれかの箱に詰めてしまったんだろうが、Sは事も無げにこう言った。 「あっ、持ってた」 もう、かなりダメなことになっている。 気が付けば、22時をすっかり回ってしまった。 明日は無事に済んで欲しいと願うだけだ。 13(木) 120 100 【24:30】 〔事務所の移動〕 ▼相変わらず忙しい日々が続いているが、週末の土曜、つまり明後日控えているイベントとして、事務所の引越しがある。 引越しと言っても、8階から3階に移動するだけなのだが、それでもこの忙しい最中の引越しは、かなり応えると言えよう。 そもそもまだ何も荷造りも何もしていないのである。階の移動だけと言う油断もあるのだろうが、それにしたって、明日中の荷造りはかなり大変なことになりそうである。 そして、引越し本番の土曜日、待っているのはパソコンとにらめっこである。 この期に及んでまたかよ。 10台のパソコンのネットワークを何とかしなくちゃならない。 来週からの業務は、このオレの、何とも頼りない手に掛かっている。 12(水) 【00:00】 〔にらめっこ〕 ▼ついに熱帯夜が来た。 しかも梅雨時期でもあるためジメジメしており余計に腹が立つ。 そんな環境の中、日中はパソコンとにらめっこで図面書き。夜は、パソコンとにらめっこで書類作成。気が付けば、23時を回っている。 よたよたと帰宅し、ふと気が付けば、パソコンとにらめっこで日記を書いているじゃないか。 結局、一日中にらめっこかよ、パソコンと。 ありがとう。 つくづく感謝する次第である。 11(火) 60 100【22:00】 〔余裕のなさ〕 ▼このところ非常に単調な日々が続いている。 単調と言っても、けっして暇なわけではない。むしろ、目が回るほど忙しいよ。 ただ忙しいだけの単調な日々。それは、自らの思考能力をも単調にする。 だめだな、もっと余裕を持たなければ。 その余裕のなさは、思いも掛けないところで現れる。 お尻が痛い。 かと言って、オレはじぬしではない。 ちょうど尾てい骨の辺りの皮がめくれているのだ。 なぜ、こんなところが… 帰宅すると、すぐにその分けが判明した。 腹筋である。 腹筋台と尾てい骨が擦れて皮がめくれてしまったらしいのだ。 いったい何年やってるんだよ、腹筋。 これが、余裕のなさである。 ぜんぜん意味が分からないけど。 10(月) 160 100 【23:00】 〔納豆の日である〕 ▼今日、7月10日と言えば特別これと言った記念日ではないが、密かに納豆の日だったりなんかする。 かと言って特別、納豆を敬ったりなどはしないが、改めて、オレって納豆が好きなんだなあ、と言う感慨にふけったりする。 定食屋に行き、納豆があれば、まず手に取るし、回転寿司で納豆が回っていれば、2皿はいくだろう。ああ、なんてネバネバなんだ、オレってやつは。 そして、何と言っても、カレーには納豆である。 カレー屋に行けば、納豆のトッピングは欠かせないアイテムだ。 いまや、納豆のないカレーは単なるカレーライスに過ぎないだろう。 ま、それでいいんだけどさ。 そんなことを考えていたら、納豆は納豆でも甘納豆のことがオレの脳裏を離れない。 どうして、こっちの赤飯は甘納豆入りじゃないんだよ。 ふと、北海道の甘納豆入り赤飯が食べたくなったのだった。 9(日) 60 100【24:00】 〔名古屋場所へ〕 ▼毎年恒例の大相撲名古屋場所観戦である。 いつもの様に、休日駐車解禁の路上駐車スペースに車を停め、愛知県体育館の西側から入る。 体育館の敷地へ足を踏み入れた瞬間、何とも言えぬ違和感を感じた。 何だ、この閑散とした雰囲気は。 見れば、いつもはあるはずの、提灯が沢山ぶら下がったくぐり門がないのだった。 来るとまずここで写真を撮り、ここをくぐるのが慣例となっていたので、なんだか寂しいイヤな感じがした。 そしてまた、肝心なものがないことに気が付いた。 やぐら太鼓のやぐらがないではないか。 いったいどこにいっちまったんだ。 太鼓も生じゃ聞けなくなってしまったのか。 ここにも、大相撲の不景気感が端的に現れているのではないか。 席はいつもの様に後ろの方のイス席である。 しかし、愛知県体育館はテレビで見るほど大きくないので、土俵は意外に近くに見える。関取の顔も一応判別できるくらいである。 場内を見渡すと、けっこう空席が目立つ。 しかし、驚いたことにしっかり下がっているではないか。 「満員御礼」の垂れ幕。 これはいったいどういうことなのだろう。 満員への願いが、この垂れ幕にこめられているのだろうか。 だとしたら、「満員御礼」じゃなくて、「満員御願」じゃないのか。 やだなあ「満員御願」の垂れ幕が下がった大相撲は。 さして大きな波乱もなく、淡々と取組は進む。 そして、結びの一番は、横綱、朝青龍の登場である。 結果は、強いの一言に尽きる、まさに横綱相撲であった。 ここで思いも掛けぬ事態が起こった。 座布団が舞う。 通常、座布団が舞うのは、波乱があったときである。しかし、いま勝ったのは横綱だよ。なのになぜ、座布団なんだ。 思うにみな、座布団を飛ばしたくて飛ばしたくてしょうがなかったのだろう。 しかし、最後の最後までそのチャンスはなかった。どれほど、観客の欲求不満が溜まっていたか伺い知ることが出来ようと言うものだ。 しかし、こんなとんちんかんなことやるなよ、みんな。 8(土) 120 100 【23:00】 〔スタバ用語〕 ▼非常に良い天気である。腹が立つほどなのである。 そんなさなかの休日出勤はなかなか忙しい一日だった。 ▼仕事のあとの空腹は、ココ壱番屋のカレーで満たす。 コーヒーブレイクは、まだ新装開店したばかりのスタバへ行き、いつもの奴を注文した。 キャラメルマキアート グランデ。 バカの一つ覚えと言われても本望なくらい、バカにこればかりである。 しかし、カレー直後のグランデは少々荷が重かった。トールで十分だったのではないか。 それにしても、いまでこそ普通にグランデだの、トールだの言ってるが、それは商品のサイズの呼び名であり、慣れるまではかなり大変だったのではなかったか。 一番小さいのが、ショートと言うのはまあ良いとして、そもそも、トールってのはなんだ。トール君がどうかしたのか? 誰だよ、トール君って。 なにしろ、レギュラーとか、ふつうとかではダメだったのか。 その上のグランデなんて言ったら、やけに偉ぶってるじゃないか。 しかし、驚いたことに、グランデよりさらに上があると言う。 なんだそれは。ジャンボか、それとも、マンモスなのか。 ベンティである。 ますます分からないことになっているのだった。 7(金) 【00:00】 〔去るもの〕 ▼またひとり新入社員が会社を去った。 少なからず前兆はあったとは言え、何とか持ちこたえてくれると思っていただけに、非常に残念である。 それにしても、新入社員に取って、かくも名古屋の地は過酷なのかと思うほどリタイヤが多い。 なにしろ3年連続だ。 これはやはり何かあると思わずにはいられまい。 金鯱のたたりか、はたまた、エビふりゃーのねたみなのか。 何をねたむんだよ、エビフライが。 思えば、このオレも名古屋の地を初めて踏んだ年は、隙が有ればすぐにでも、ランナウェイを歌っていた。 ランナウェイせずに歌ってしまっているところがミソである。 まあ、何事も峠はある。それを越せば、見渡す限り開けているのは、茨の道だ。 いつまでたってもそんな道はイヤだなあ。 6(木) 120 100 【23:30】 〔円錐〕 ▼昼からみっちり客先との打合せだった。 なんだか非常に疲れた一日であった。 ▼そんな状態で会社に戻ると、いきなり営業からきた質問は体積を求めるものだった。 四角や台形くらいなら日常茶飯事求めているので雑作ないが、今回求めようとしているのは、そんな生やさしいものではない。 円錐(えんすい)である。 何が悲しくて、円錐の体積を求めなけりゃいけないんだ。 だって、円錐だよ、円錐。 簡単に言えば、とんがってるんだぜ。 まかり間違って、そんなものの上で転んだりしたら、グサッとなって、痛いことこの上ないじゃないか。 体積とは何の因果関係もないけど。 なにしろ、円錐の体積なんてものは、ここ数十年関わりがなかったのではないか。 仕方ないので調べてみた。 「円錐の体積=(1/3)*円周率*(rの2乗)*高さ」 こんなもの誰が知ってるって言うんだ。 知っている人と言えば、せいぜい、サンタの帽子に詰めるお菓子の量を計算する人くらいなのではないか。 わざわざ計算するのか。 それにしても、よくぞ、こんな途方もない公式を編み出したものだと、ひとしきり感心するしかないのだった。 5(水) 60 100【23:00】 〔飛んできたらしい〕 ▼何やら物騒な物が我が日本に向けて飛んできたらしい。 テポドンだか、イクラドンだか知らないが、無闇にひとの庭に投げ込むのは如何なものか。 敢えて、これだけは言いたい。 「きちんと片付けて行きなさい」 それが飼い主の義務なのだから。 犬の糞だったのか、テポドンは。 ▼道端で相撲取りをよく見掛けるようになった。名古屋場所が近いのである。名古屋の夏の風物詩とも言えるのではないか。 毎年、この時期になると会社の前にある焼き肉屋の入口には、開店を待つ力士がいまにも転がり出しそうなほどゴロゴロしている。 ほんとにゴロゴロされると非常に大変なことになりそうだが、この暑さと相まって、なんとも見ていて息苦しくなるのだ。 初日は9日から。次の日曜である。この日、観戦に行くつもりだ。名古屋へ来てからというもの、名古屋場所観戦はすっかり年中行事となっているのだ。 4(火) 120 【25:00】 〔開かない〕 ▼しこたまと言えるほどの残業を終えた23時過ぎ、会社を出て駐車場へ。 お馴染みの立体駐車場である。 何かイヤな予感がするだろう。その予感、ズバリ的中である。 自分の車が降りてきても、肝心の扉が開かない事態に陥ったのである。 夜中であるから当然、係員はいない。 ふと後ろを見ると、別の待ち人がいた。取りあえず、先に譲ってみることにした。 「お先にどうぞ」 「いいんですか、すみません」 きっと、この人も同じ目に遭うに違いない。 オレは、期待とも不安とも言えぬ気持ちで、その人の車を待っていた。 車が下まで降りてきた。 ここまではオレの場合と同じだ。問題は次である。 息を飲んで、成り行きを見守った。 「ガー…」 扉は開いた。何の問題もなく。 なんだ、大丈夫じゃないか。 ホッと一安心したオレは、その車を見送り、再び自分の車の呼び出しボタンを押した。 カゴが回り始める。 「ガタン、ガタン、ガタン…」 ようやく下までオレの車が降りてきた。 ここで扉が開くはずである。 「・・・・・」 開きません。 オレは愕然とした。 だってそうだろう。扉のすぐ向こうにはオレの車があるのだ。 だのに手が出ない。 これじゃまるで、プラスチックの箱の中に入ったバナナを地団駄踏んで悔しがるチンパンジーじゃないか。 結局、係員を呼び出し、30分間ひたすら待った。 こんな夜更けにオレはいったい何をやっているんだろう。 孤独だ、なんて孤独なんだ、オレってやつは。 帰宅すると、今日が新聞回収の日であることに気付き、再び愕然としたのだった。 3(月) 【00:00】 〔記憶の底の言葉〕 ▼すっかり記憶の底にしまわれてしまっていたものが、思わぬところで掘り出されることはしばしばある。 残業中の事務所内で営業のYが唐突に発した言葉はこうだった。 「それがいい、それがいいと言いました、まる」 まるって、おまえ。 本人は独り言の様に何気なく口から出た言葉なのだろう。 だがしかし、懐かし過ぎるぞ、そのフレーズ。 すでに22時を回っていたことが、精神的にそうさせたのかも知れない。ほとんど思考能力が自律していないと言える。 とにかく、Yのその言葉が、遥か昔の記憶を呼び起こしてくれたとともに、ただ苦笑いするしかなかったよ、オレは。 2(日) 120 100 【23:30】 〔床屋へ〕 ▼床屋へ行く。3ヶ月振りである。 やけに混んでいた。天候不順の休日、みな思うところは床屋だったのだろう。 いつもの様に、パーマを頼む。 しかし今回は少々趣向を変えた。床屋したてはいつも皆にこう言われるからだ。 「それ、パンチ?」 意に反し、パンチパーマと言うレッテルを貼られるてしまうのだ。まあ、それはそれで凄みがあって良いのかも知れないが、それはちっともオレの意図するところではないよ。 そこで今回オレは店員にこう注文した。 「いつもの、少々強めよりも少々弱めにお願いします」 いったいどのくらいの加減なんだ、それ。 それがどの程度のものなのか、オレにも良く分からない。とにかくいつもよりも少し弱めにして欲しいだけなのだ。 オレの不安をよそに、店員はなんの躊躇もせずロットを巻き始めた。ロットの色はいつもと一緒だ。これはきっとパーマ液を付けてからの時間がいつもよりも短いのだろう。 しかし、時間もいつも通りしっかり置いた。 かくして、出来上がりは… いつもよりも緩く、そして良い感じなのである。 やはりプロだ。たいしたものである。 しかしながら、次回、この良い感じをいったいどの様に伝えれば良いのだろう。 「この前と一緒くらいでお願いします」 果たして、これで通用するだろうか。 もしや、「この前と一緒」の「この前」とは、そのひとつ前のことになってしまわないだろうか。だとしたら、元の木阿弥ではないのか。 新たな問題が発生したようだが、そんな問題はこの際どうだっていいと思うよ。 散々述べといてなんだけど。 1(土) 60 100【23:00】 〔K−1、そして玉〕 ▼昨晩は睡魔と戦いながらK−1MAXを見たわけだが、注目だった魔裟斗は2回戦で負けた。オレ的には勝っても負けてもどちらでも良かったわけだが、注目の選手であることには変わりなく、それは番組側としても同様であり、それ以上に魔裟斗は番組に取って負けて貰っては困る看板スターなのである。そのスターが負けてしまったものだから、その後に出る選手の扱いのひどさと言ったらなかった。 いきなりダイジェスト版である。 この、手のひらを返したような番組編成には開いた口が塞がらなかったし、まったく呆れるばかりであった。 無駄に長い魔裟斗の紹介ビデオを流すくらいなら、もっと他の試合を流せよ。 この半ばミーハー的な魔裟斗の扱いが、奇しくも魔裟斗を堕落させる一つの要因なのではないか。 格闘技はハングリーでなければならない。 オレはハングリーはイヤだ。 ▼鉄筋職人のY氏には様々な種類の知人がいると言う。 土古(どんこ=地方競馬である名古屋競馬場の通称)専門の馬券生活者、つまりプロの馬券師が知人にいると言い、夫婦二人、馬券だけで暮らしていると言うのだから凄い。 いったいどんな予想法を使っているのか一度聞いてみたいものである。 もっと凄いのは、水晶玉売りの男の話である。 水晶玉と聞いただけで何か怪しい感じを受けるが、話を聞けば、まさしく怪しいことこの上ない。 だからと言って、売り物が水晶玉ではなく、お玉だったりなんかすると、とたんに庶民的になり、安心感もひとしおなのだろうが、お玉を撫でなでて占う占い師など見たことも聞いたこともないよ。 そもそも、お玉売りの何が面白いんだ。 あまり詳しく書けないが、なにしろ1回の遠征で2ヶ月ほど売り歩くらしく、その間の稼ぎは1千万は下らないと言う。帰ってくればしばらくゴルフ三昧だと言うし、彼女には400万の腕時計をポンと買ってやると言う。 400万をポン、だ。 それじゃ、手首にクラウンをポンと巻いているようなものじゃないか。 そのポンはかなり違うと思うけど。 それは、羨ましいと言うよりも、それを通り越して何か違和感を感じる。 まったく、住む世界が違うとはこのことだろう。 自分だけが常識だと思ってはけっしていけないのだろう、世の中は。 byクムラ〜 |