【今世紀最大最後のビッグマッチ】

             WBC・IBF世界ウエルター級王座統一戦
          オスカー・デラ・ホーヤVSフェニックス・トリニダード
              1999年9月18日(日本時間19日)

これほど待ち望んだドリームマッチも久しぶりだ。
片や史上初の7階級制覇を目指す、ゴールデンボーイ、オスカー・デラ・ホーヤ。
いま最も人気のあるボクサーであると言っても過言ではない。
現在4階級制覇中、これまで31戦全勝25KO。
今回のファイトマネー23億円だというから、彼の偉大さが分かろうというもの。

相手のトリニダード。
35戦全勝30KO、こちらも負け知らず。
現在世界タイトルを14回防衛中。
故郷プエルトリコの英雄である。

心情的にはやはり、デラホーヤってことになってしまう。

さて、入場曲に乗って、両者がリングに上がる。
トリニダード陣営、なにやらもたついている。
どうやらマウスピースが見つからないというアクシデントがあったようだ。
なんでも、入場の際、セコンドが落としたらしい。

ゴング直前両者向かい合いレフリーの注意説明、
いつものように上をじっと見つめるデラホーヤ、それを睨み付けるトリニダード。

さあ、ゴング!
以下は試合経過ダイジェスト。

1R:静かな滑り出し、両者相手の出方を探る。
2R:次第に両者パンチが出始める。
3R:常にトリニダードを中心にデラホーヤがフットワークで周り込む。
4R:トリニダードのストレート炸裂、一瞬デラホーヤの焦りが伺える。
5R:デラホーヤのパンチが次第に当たり始める。
6R:この回デラホーヤの手数が多い、トリニダードの目が腫れ始める。
7R:デラホーヤはこの回、フットワーク駆使し、トリニダードのパンチをかわしまくる。
   終了直後にトリニダードのパンチがデラホーヤに当たりちょっと険悪に、
8R:トリニダードのパンチも次第にタイミングがあってきて当たり始める。
9R:デラホーヤのコンビネーションが当たる。トリニダードはちょっと焦り気味に見える。
10R:デラホーヤが守りの体勢から、終了直後にラッシュを仕掛ける。
11R:トリニダードが押しまくる。デラホーヤはパンチを出さない、出せないのか?
12R:デラホーヤはこの回も終始足を使う。トリニダードは攻めあぐねるも攻め続ける。
    結局展開の変化もないまま終了のゴング。


デラは終了後コーナーポストに登り、観客にアピールするが逆にブーイングを浴びる。

判定は、、、
2対0でトリニダーの勝利。
ともに1ポイント差。
勝ちを確信していたデラホーヤは唖然とする。
一方、トリニダードは声を上げて大喜びである。


予想では、KO決着必至であろうと言われていたが、
ふたを開ければ、終始デラホーヤが足を使い、離れてトリニダードの
射程距離に入らない作戦。
いつ突破口を開くのかと思っていたが、結局、デラホーヤは
突破口を開ききることができなかった。
思った以上にトリニダードのプレッシャーが強かったということだろうか。
デラホーヤ自身は判定は自分のものと信じ切っていたようであるが、
はっきり言ってデラホーヤにはがっかりした。
足を使って翻弄するつもりだったようだが、結局攻めることが
できなかった。
いったいKOするつもりがあったのか、と言いたい気分である。
こんな守りのボクシングをするようでは、7階級制覇は夢のまた夢である。
まあ、今回は素直にトリニダードの健闘を称えよう。


それにしてもデラホーヤ、終わってからのインタビュー、ちょっと
笑顔すぎやしないか。
もっと残念がれよ。まあ、悔しさの裏返しとも言えるけど。