◆Boutこらっ!む◆
■階級を越えた闘い/ジョン・ルイスvsロイ・ジョーンズ■ 03/03/02 WBA世界ヘビー級タイトルマッチ ジョン・ルイス(WBA世界ヘビー級チャンピオン) ロイ・ジョーンズ(WBA・WBC世界Lヘビー級チャンピオン) バウント・フォー・バウントと言う言葉がある。 体重、階級差をなくした場合、誰が一番強いのか、と言う意味である。 現在そのバウント・フォー・バウントであると誰もが認める、ロイ・ジョーンズがヘビー級タイトルに挑戦するのである。 これのどこが注目の一戦なのだろうか。 階級を越えているのである。 ロイ・ジョーンズは現在、Lヘビー級の選手であり、今回挑戦するヘビー級とは2階級の隔たりがある。しかも、もともとジョーンズはミドル級で闘っていた選手。それほど体格の違う同士が闘うのである。 ロイ・ジョーンズは身長180cm、ベストの体重が80kgである。 戦績は48戦47勝38KO1敗 唯一の1敗は反則負けと言う、ほぼパーフェクトな戦績である。 いっぽう、ジョン・ルイスは、身長188cmで、体重は100kgを越える。 戦績は43戦38勝(27KO)4敗1分 あの、ホリフィールドからタイトルを奪取した選手だ。 はたして、ロイ・ジョーンズのスピードとテクニックが、ヘビー級のジョン・ルイスに通用するのだろうか。 なにしろ興味津々、注目の一戦である。 さて、試合の方であるが、案の定、ジョーンズのスピードが凄い。 ルイスもけっして遅い選手ではない。いやむしろヘビー級の中にあっては、かなりのスピードの持ち主である。 しかし、ジョーンズに翻弄されるばかりなのである。 ルイスが打つ、それをさっと交わし、すかさず返しのパンチを入れるジョーンズ。 ジョーンズはけっして相手の射程距離に入らない。 なかなか突っ込んでいかないルイスにじれったさも感じたが、ジョーンズのパンチが思いのほか強かったため出ていけなかったのだろう。 結局、最終ラウンドまで終始このような展開が続いた。 そして終了間際には自らの勝利を確信したかのように、腕を振り上げるジョーンズ。 そして終了のゴング。 結果は、圧倒的な差によるジョーンズの判定勝ちであった。 ボクシング史にまた新たな歴史の1ページが加わった。 2階級を越えてのチャンピオン奪取は103年振りの快挙なのである。 ジョーンズは確かに勝つには勝った。これには誰も文句を言わないだろう。 だがしかし、やはり判定なのか、と言う思い。 現在、メジャー団体のヘビー級チャンピオンは4人いる。その中のジョン・ルイスは実績、実力を考えたときに、どう考えても一番下である。その相手に判定勝ちである。 この判定勝ちと言うところに、越えられない体力差と言うものを感じるのだ。 もう一人のルイス、レノックス・ルイスとやったらどうなるだろう。 更に体格差は大きくなるし、パワーもジョン・ルイスとは段違いである。 さしものジョーンズのスピードを持ってしても、ひとつパンチが当たっただけで、吹き飛ばされるシーンが想像されるのだ。 取り合えず、マイク・タイソンとのマッチメイクを期待したいものだ。 タイソンに取っても、王座返り咲きの早道となるのではないだろうか。 |