◆Boutこらっ!む◆
▼02/6/9【レノックス・ルイスvsマイク・タイソン】 なにしろこの二人、これまで対戦する機会がなかった。タイソンがチャンピオンの時代、ルイスはまだアマチュア。ルイスがチャンピオンになったとき、タイソンはブタ箱に入っていた。 ルイスに取っては、タイソンを倒してこそ初めて真の王者と認められるし、タイソンに取ってもここで勝てば、長いこと貼られていた無冠の王者のレッテルを剥がすことができる。 そして長い年月を経てついに両雄が対決。 リングは黄色いポロシャツを来た男達で半分に仕切られている。 ゴング直前まで互いを隔離する徹底振り。そこまでするのか。 運命のゴングが鳴った。 1R開始早々からタイソンの積極的な突進。なかなか動きがいい。それに対して、やや動きが固いルイス。それでも持ち前のフットワークでうまくパンチをかいくぐる。 ラウンドも中盤になると次第にルイスの堅さもとれ、いいパンチが時折当たる。タイソンもパンチは出すものの、ルイスのクリンチワークにことごとく阻まれる。 このルイスの再三のクリンチにレフリーはついに注意を宣告。 しかしこれが返ってルイスをいい方向に導いていったのではないか。 その後、ルイスの執拗な左ジャブからの時折出す右のアッパーやフックを浴びるタイソン。動きも次第に単調になっていくのが分かるし、右まぶたを早々にカットした。 そして運命の8ラウンド。 明らかに動きが鈍くなっているタイソンに対し、ついにルイスの連打が火を吹く。たまらずタイソンは腰を落とす。これがダウンとなりカウント8。 そして、その直後、タイソンが体を振ったその方向へルイスの右拳が飛び、それがカウンターとなってタイソンの顔面を直撃。かくしてタイソンは仰向けにもんどりダウン。 そしてついに立ち上がることができずカウント10を聞く。タイソン衝撃のKO負けである。 驚いたのは試合後のインタービューだ。 なんとタイソン、ルイスを讃えたのだ。 人間が変わったと見るべきか、次のチャンスを狙ってのことなのか、その真意は分からない。 しかし話によると、再戦は決まっているらしい。 今回復活を果たせなかったタイソン。明らかに全盛期の実力はない。 それでもまだタイソンに頼らねばならないボクシングヘビー級界。 ここに新しいスターがなかなか現れないのがもどかしい。 |